2015 Fiscal Year Research-status Report
ASD社会性機能障害発症機序における「環境x遺伝子相互作用」の解明
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26461769
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
土居 裕和 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 講師 (40437827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩永 竜一郎 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (40305389)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ASD / ダイオキシン / 発達 |
Outline of Annual Research Achievements |
自閉症スペクトラム障害(ASD)患者は、重篤な社会性機能障害を呈する。ASD社会性機能障害発症には、遺伝的リスク因子に加え、環境リスク因子の寄与が大きいと指摘されている。しかし、ASD社会性機能障害をもたらす環境リスク因子については、ほとんど研究が進んでいない。申請者らは、これまでの研究成果に基づき、「胎生期ダイオキシン類曝露」と「ダイオキシン類への遺伝的脆弱性」の「環境x遺伝子相互作用」を通じて、ASDにおける社会性機能障害がもたらされるとの新規発症機序モデル=<ASD社会性機能障害の環境x遺伝子相互作用モデル>を着想した。本研究では、胎生期からの母子コホート研究(縦断的アプローチ)・小児ASD患児を対象とした疾患研究(横断的アプローチ)を有機的に連携させ、同モデルの妥当性を検証する。 研究は現在遂行中だが、初年度に開始した縦断的計測は、順調に進展しており、すでにGaze Finderによる注視点データ、General Movementデータ、母親に対して実施する児の発達傾向質問紙調査による、ASD様行動傾向の定量化に着手している。最終年度には、これら行動データと生体試料解析結果(ダイオキシン類関連遺伝子多型、ダイオキシン様化学物質曝露レベル)との関連性解析、及び、多変量解析手法による変数間の因果的連関のモデル化を通じて、生後の社会性機能発達・ASD様行動傾向発現と「環境x遺伝子相互作用」との関連性を完了する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度に開始した縦断的計測は、順調に進展しており、すでにGaze Finderによる注視点データ、General Movementデータ、母親に対して実施する児の発達傾向質問紙調査による、ASD様行動傾向の定量化に着手している。また、今年度は生体試料解析を実施し、縦断調査の当初目的を達成する予定である。一方、横断調査では、当初予定していた例数が集まっておらず。順調に進展しているとは言い難い。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、縦断調査の生体試料解析、及び行動データとの関連性解析を実施し、生後の社会性機能発達・ASD様行動傾向発現と「環境x遺伝子相互作用」との関連性を完了する。また横断研究に関しても、参加者リクルートを強化し、目標例数を達成する。
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Causes of Carryover |
本年度は、横断研究の研究参加者リクルートが、当初予定通りに進まなかったため、横断研究の謝金・消耗品費として見込んでいた金額に余りが生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年度は、横断研究の研究参加者リクルートを進め、その研究実施に残金を充当する計画である。
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