2016 Fiscal Year Annual Research Report
The relationship between pregnancy-induced hypertension and developmental disability.
Project/Area Number |
26461776
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Research Institution | Sonoda Women's University |
Principal Investigator |
田渕 正樹 園田学園女子大学, 健康科学部, 准教授 (20340771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 龍生 近畿大学, 農学部, 教授 (40330245)
佐藤 隆夫 近畿大学, 医学部附属病院, 教授 (70162443)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 発達障害 / 妊娠高血圧症 / 神経幹細胞 / 降圧薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
妊娠時高血圧が産仔の多動性/衝動性に対する影響を明らかにするために,行動学的な変化および胎児の神経幹細胞の分化に対する影響を明らかにするとともに,ヒト妊娠高血圧症に用いられる降圧薬を母ラットに投与したときの改善効果について検討を行った。 最終年度では,妊娠時高血圧ラットに降圧薬として塩酸ヒドララジンを投与し(薬物投与群),妊娠16日目に母体から胎仔を取り出し神経幹細胞10日間培養し,降圧薬非投与ラット(高血圧群)および正常血圧ラット(対照群)との分化の比較を行い,以下の知見を得た。 Caspase-3抗体を用いてアポトーシスを評価したところ,高血圧群と比較して,薬物投与群でアポトーシスの有意な減少が認められた。高血圧群と比較して,薬物投与群で生細胞数の有意な増加が認められた。β3 Tubulin抗体を用いて神経細胞数の評価および形態の観察を行ったところ,高血圧群と比較して,薬物投与群で神経細胞数の有意な増加が認められた。また,対照群では正常な神経突起が観察されたが,高血圧群では認められなかった。薬物投与群では正常な神経突起が観察された。オリゴデンドロサイト抗体を用いて形態を観察したところ,対照群ではオリゴデンドロサイトに突起の伸長が観察されたが,高血圧群では突起の消失が観察された。薬物投与群では正常な神経突起が観察された。 以上のことから,妊娠時の高血圧は神経幹細胞の分化に影響するとともに細胞死を引き起こすことにより,産仔の精神・行動発達に異常をきたすことが示唆された。妊娠時の高血圧を降圧薬投与で改善することにより,産仔の精神・行動発達の異常は改善される可能性が考えられた。
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Research Products
(3 results)