2015 Fiscal Year Research-status Report
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26461778
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
東島 恵美子 (宍戸恵美子) 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (40723101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福村 直博 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90293753)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 視線計測 / アイハンドコーディネーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、描画時における人の眼球運動の特性を調べるために、2014年度に測定した被験者の描画時の眼球運動測定のデータ解析を行った。書道家7名と、一般被験者13名の合計20名のデータを解析した。有効数は、19名分で、うち、17名については、スピード調整をしたデータについても使用可能であった。この17名のデータを、時系列解析し、Matlabによって、線形回帰やクラスター分析を行い、描画時における眼球運動の特徴を4つの線型モデルとして記述した。主に、以下(1)~(6)の知見を得た。(1)時系列解析の一環として、手のスピードと、目の動きの関係を調べ、線形回帰できることを確かめた。(2)予測的な眼球運動の、時間差を計算した。(3)手のスピードとの明らかな関係がなかったため、曲率との関係を記述したが、明らかな関係は見つからなかった。(4)曲率変化と、手のスピードの関係を調べたところ、視点を通過する際の、手のスピードの差分と、曲率変化に線形の関係が見いだされた。(5)ただし、線形の関係には、2つ以上のクラスターがあったため、クラスター解析を行い、分離した。(6)それぞれのクラスターに対して、特徴を求めた。その後、測定データに対して、シュミレーションを作成することを目的として、共同研究機関の豊橋技術科学大学福村直博先生とともに、Matlabによる描画時眼球運動のシュミレーションモデルの作成に着手した。投稿論文原稿を作成するとともに、日本神経科学学会大会ポスター発表などにおいて、成果を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は、データ解析が主になり、次のステップの測定をすることができなかった。しかし、データ解析の面では、いくつかの新規な特徴がみつかり、ヒトの動作と目の動きの関係を記述することができた。次年度以降に、引き続き、測定を進めていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、豊橋技術科学大学とともに進めているシュミレーションの結果を待って、論文作成と投稿を行うとともに、提示画像を改変した実験を進め、ヒト描画時眼球運動と、視覚情報処理についての大変ベーシックな現象を記述していきたい。ただし、測定面では少し遅れがあるので、年限を延長して測定することも視野に入れる。現在、機器が生理学研究所にあるため、測定できる時間が限られているためである。
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Causes of Carryover |
当該年度は、データ解析に時間を取り、測定を行わなかったため、測定機器の開発、あるいは、疾患における測定などの発展的な内容の研究を行うことができなかった。そのため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は、データ解析を終えて、論文投稿、その後に、測定機器のセットアップと試験的な測定を行う予定である。その際の、研究費使用目的は、主に、打ち合わせ旅費、機器の購入、謝金となる。
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Research Products
(2 results)