2014 Fiscal Year Research-status Report
腫瘍血管特異的な作用であるEPR効果を利用した新規イメージングプローブの開発
Project/Area Number |
26461784
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
船木 善仁 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 講師 (50261491)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 放射線 / 放射性薬剤 / I-124 / 再利用 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はサイクロトロンで製造された核種、I-124を用いるが、年間のサイクロトロン運転時間が当初より大幅に減少したため、実際に1年間でI-124を製造できるのは1~2回程度であった。また、これまでのI-124を用いた種々の放射性薬剤の標識合成において、収率は10~20%と決して高くなかった。すなわち、未反応のI-124を廃棄していたことになる。これらのことを鑑み、本年度の研究はI-124を用いた標識合成に際し、未反応であったI-124を回収することにより、サイクロトロンによって製造されたI-124を再利用するための研究を行った。このI-124の回収においてI-124は溶液中で陰イオンの形で存在することから、陰イオン交換カラムを用いることによりヨウ素の回収ができるのではないかと考え、実験を行った。具体的には、市販の陰イオン交換カラムを用い、導入実験としてメチルタイロシンへのI-124導入反応を行い、未反応のI-124の回収を試みた。その結果、メチルタイロシンとI-124を反応後、その混合物を陰イオン交換カラムに通じることによって、標識合成されたI-124標識メチルタイロシンはカラムに捕集されず、未反応のI-124のみ捕集されることが明らかとなった。さらにこの陰イオン交換カラムに硫酸ナトリウム溶液を通じることによってI-124を陰イオン交換カラムより回収することもできた。従って、陰イオン交換カラムを用いた回収はI-124の効率の良い利用法として期待できると考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の遂行にはサイクロトロンによるI-124の製造が必須であるが、現在、当センターではサイクロトロンの年間運転時間が約5ヶ月と大幅に削減されている。このため、サイクロトロンを用いてI-124を製造することが年間1~2回程度しか割り当てられない。そこで、当初の予定とは異なり、少ない製造回数でもより効率的にI-124を使用できるようにI-124の再利用について検討したため、研究の遅れが生じている。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在、I-124の再利用については陰イオン交換カラムを用いることにより未反応のI-124を捕集することができることは確認したが、陰イオン交換カラムからのI-124の再回収において、用いる硫酸ナトリウム溶液の量が多くないとI-124が陰イオン交換カラムから溶出されてこないことが結果として得られている。この場合、I-124の再利用には濃縮等の過程が必要となってくることから少量で効率の良いI-124の回収方法について検討を行う。その際、I-124の使用が困難ならば、I-125を用いて条件検討を行う。その後、実際に当初の研究目的であるSIBの標識合成において前述の回収方法を行いながら、反応条件検討等を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
I-124の製造に際し、製造回数が少なかったため、当初の計画を変更し、I-124の再利用に関しての検討を行った。この検討は既にほぼ所持していたものを利用して行った。また、高額であるSIBの原料やI-124の製造原料であるTe-124などを購入しなかった。これらの事柄が次年度使用額の生じた理由である。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
当該年度に購入しなかったI-124の製造原料であるTe-124やSIBの原料を購入し、次年度の研究計画に沿って、研究を行う予定である。
|