2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26461791
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
吉川 武 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40332788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 良治 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30324924)
神山 久信 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (30546487)
松本 純明 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60397833) [Withdrawn]
西尾 瑞穂 公益財団法人先端医療振興財団, その他部局等, 研究員 (50581998) [Withdrawn]
祖父江 慶太郎 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (90622027)
杉村 和朗 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00136384)
村瀬 研也 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50157773)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 肝 / 血管内皮機能 / せん断応力 / MRI |
Outline of Annual Research Achievements |
希釈造影剤を用いた固定ファントムでの基礎的検討および健常ボランティアでの検討で、受信コイル、繰り返し時間およびエコー時間、フリップ角、心電同期・呼吸同期法、撮影マトリックスの最適化を行い、撮像法を確立した。 健常ボランティア10名にて脈波同期3D-cine phase-contrast法を撮像を実施した。Velocity encodingは80,40,30cm/sを検討し、動脈系は80m/s、門脈、肝静脈では30cm/sが優れた。肝動脈、下大静脈では一定しなかった。以上より人体の撮像には80,30cm/sを用いることとした。算出された血流量および脈管断面積は過去の報告と近似しており本検討の測定系全体としての妥当性が示唆されたが、大動脈での算出値は折り返し現象により不正確となる可能性が示唆された。せん断応力は口径の大きい脈管で有意に高値であり、動脈、静脈、門脈および各脈管を有意差を持って分離可能であった。 肝疾患を有さない15症例および肝疾患患者17名で撮像を実施した。ガドリニウム造影剤を投与した症例では造影前後を比較し、造影後に脈管描出能が向上し計測に有用と考えられた。また、4種類のせん断応力パラメータを算出し健常ボランティアと比較した。流量は全体に低下傾向で、せん断応力は動脈で個人差が目立ち、加齢性変化およぶ動脈硬化性変化が考えられた。 肝疾患群と非肝疾患群では、静脈流量、門脈流速、動脈・門脈のWSS、門脈のSWSSG、静脈のOSIとGONに有意差がみられた。それぞれ肝傷害時の循環血液量の増加とうっ滞、門脈血流のうっ滞、動脈血流増加によるせん断応力の上昇、門脈の動脈化に伴う拍動の増加などを検出したと考えられた。撮像法の最適化、ソフトウエアの改良により解析時間は1症例当たり40-50分に短縮され、約10-20時間を要するCFD法による報告とほぼ同様の結果が得られた。本法の肝疾患診断および肝機能評価における有用性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
MRI撮像時のVelocity encodingの設定に関して、最適値の個人差が特に臨床症例では想定以上に大きく、更なる検討が必要となっている。 計画では超音波ドプラ法をreferenceの1つとして用いる予定であったが、各測定間および施術者間で再現性が想定以上に不良であり、基本的な精度が不足していると考えられた。 このため新たなreferenceとして、健常ボランティア撮像の追加を予定している。 撮像方法が確立するまでの期間において、 長いMRI撮像時間が身体的負担になる可能性を危具し臨床症例の集積開始を延期したため計画より遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度までに肝疾患症例を含めて確立したMRI撮影法と血流解析法およびせん断応力測定法にて、さらに健常ボランティア10名に対して撮影と測定を行い、ソフトウエアの改良に向けたデータ集積を行い、ずり応力の正常値と正常分布像を設定する。肝動脈・門脈・肝静脈および各脈管での相違の検証を続行する。 書面による参加の同意が得られた明らかな肝疾患を有さない症例10名に対して、撮影と測定を行い、さらに臨床データの集積を行う。 明らかな肝疾患を有さない場合のパラメータの精度向上を行い、ずり応力と分布像の基準値を設定する。 これらにより妥当性の検証と有効性を検討し、肝疾患症例に対する基礎データとする。肝動脈・門脈・肝静脈での結果の相違を検証し、下記ソフトウエアの改良に向けたデータ集積を行う。 書面による参加の同意が得られた30例の肝疾患患者に対して、撮影と測定を行い、臨床データの集積を行う。 有効パラメータ抽出、各血管での結果の相違の検討、ボランティアおよび非肝疾患群との比較を進め、各肝疾患での相違を抽出する。 各肝疾患の評価に有用な機能的肝機能測定ずり応力パラメータ値と肝動脈・門脈・肝静脈の重点比率の精度向上を行う。 他の臨床データと比較し、妥当性の検証と有効性の検討を進める。 引き続き精度向上のためソフトウエアの改良を行う。 全身の高循環状態、肝腫瘍、門脈および肝静脈腫瘍栓、動門脈および動静脈短絡、門脈圧亢進症、門脈血栓症などの有無が血流解析とずり応力測定に与える影響を検討し、これらの病態の評価に有効であるかも検証する。 上記肝疾患例のうち経過観察が可能な例で予後予測および合併症予測に有効なパラメータを抽出する。 抗ウイルス療法、手術、 IVR治療、放射線治療、薬物療法などの前後で測定が可能であった症例にて効果判定法と治療後肝機能予測法の開発を行う。
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Causes of Carryover |
測定画像データの一時保存用PCよりデータ解析用PCへの高速データ移行用USB接続機器およびデータバックアップ用ハードディスクの購入用資金であった。 相当量の測定画像データの蓄積を待ち27年度後半に購入しようとしたが、27年度中に現物が入荷しなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
測定画像データの一時保存用 PCよりデータ解析用PCへの高速データ移行用USB接続機器およびデータバックアップ用ハードディスク購入用資金であり、可及的速やかに購入予定である。
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Research Products
(4 results)