2015 Fiscal Year Research-status Report
肝機能および肝線維化のMRIを用いた形態-機能融合診断の確立
Project/Area Number |
26461796
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高山 幸久 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60546563)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西江 昭弘 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20457427)
浅山 良樹 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40380414)
牛島 泰宏 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40432934)
藤田 展宏 九州大学, 大学病院, 助教 (30610612)
本田 浩 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90145433)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | MRI / 肝壊死・炎症 / 肝線維化 / ガドキセト酸ナトリウム |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、臨床において肝機能および肝線維化を評価することに対して有用と考えられている、ガドキセト酸ナトリウム造影MRIを用いた評価を検証した。肝腫瘍術前にガドキセト酸ナトリウム造影MRIは必須とされている。手術目的の患者を対象として、造影MRIを術前に行った。術前検査としてその他にも血液検査による肝機能評価が行われている。肝壊死・炎症と肝線維化の指標は、切除後の組織標本による病理診断とした。 肝臓、脾臓、背筋それぞれの造影前と造影後の信号強度、および肝臓の体積を測定した。肝臓と脾臓の信号強度比をLSR、造影前後の信号強度変化をΔLSR、肝臓と背筋の信号強度比をLMR、造影前後の信号強度変化をΔLMR、肝臓体積をLVと規定し、肝壊死・炎症と肝線維化との関連を検証した。ΔLSRやΔLMRと、それぞれの指標にLVを加算した値、ΔLSR×LVとΔLMR×LVも指標として用いた。結果は、ΔLSR、ΔLMR、ΔLSR×LVとΔLMR×LV は肝機能と有意な相関を示したが、ΔLSR×LVとΔLMR×LVは、ΔLSRとΔLMRよりも高い相関関係を示した。また、ΔLSR、ΔLMR、ΔLSR×LVとΔLMR×LV は肝壊死・炎症と肝線維化との間にも有意な相関が見られた。ただし、ΔLSR×LVとΔLMR×LV は、ΔLSRとΔLMRよりも肝壊死・炎症や肝線維化との相関関係は弱いことが判明した。すなわち、肝臓の体積を加味することは肝機能の予測には有用であるが、肝壊死・炎症や肝線維化の予測には有用でないことが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究を開始する時点では可能と考えられていた解析方法の一部において、実際は不可能であることが判明した。その為、新たな方法を考案する必要が生じた。また、MRI画像撮影において、正確な解析には良い画質を得る必要性があるが、画像撮影において、MRI装置の不具合がたびたび生じている。その際は問題点の解決および画像の再検証が必要であるため、当初の予測よりもデータの蓄積に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
Gd-EOB-DTPA造影MRIを用いた形態―機能融合診断による肝機能および肝線維化の評価の有用性に関してさらに検討を進める。すなわち、十分な結果が得られていない肝線維化評価方法に関する検証を行う。その他にもT1ρ値計算画像の改良、拡散強調画像を用いた検証も順次行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
研究計画を進めるほか、成果を学会にて発表し、論文発表を行うため、研究費使用が必要である。次年度は計画通りに使用額を執行する予定である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
国内および海外における学会発表にて使用する旅費、学会参加費。成果発表のための、英語論文校正や論文投稿費用。などに使用する予定である。
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Research Products
(3 results)