2015 Fiscal Year Research-status Report
がん幹細胞を標的とした新規脳腫瘍イメージング剤開発戦略の構築
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26461801
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
島本 直人 (鹿野直人) 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 准教授 (80295435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 健 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (50152195)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | がん幹細胞 / CD133 / アミノ酸トランスポーター / フローサイトメトリー |
Outline of Annual Research Achievements |
脳腫瘍のがん幹細胞マーカーであるCD133を強制過剰発現させたがん幹細胞様細胞をがん幹細胞のモデル細胞として用いて,アミノ酸トランスポーター(LAT1) の発現量が,がん細胞と異なるかどうかをフローサイトメトリーにより調べた。CD133過剰発現細胞T98G/C5の結果として,ほとんどの細胞はCD133の発現量に関わらずLAT1発現が高いことが確認された。CD133を強制過剰発現させていないコントロールとしてのT98G/Z11細胞での結果として,ほとんどの細胞でCD133発現は低いが,LAT1発現は高かった。 本研究では,がん幹細胞のモデル細胞として,CD133を強制発現させたがん幹細胞様細胞を用いたが,実際のがん幹細胞におけるLAT1の発現については検討に至らず,未だ不明である。実際のがん幹細胞においても,LAT1の発現が強く確認された場合,イメージング用非天然型アミノ酸を多く取り込むことが期待でき,診断能や治療効果の向上が可能と考えられる。しかし,LAT1の発現が弱かった場合はこれらの化合物の取り込みが少なく,診断への効果は期待できない。そのような場合,がん幹細胞において発現亢進するトランスポーターについて調べどのような化合物を用いるかなどを検討することが必要となるであろう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に含まれているCD133標的指向性のあるリポソームの調整法の確立ができていないなど,一部の課題について遅れがあるが,そのほかはおおむね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
脳腫瘍由来の培養細胞により本化合物の取込み実験を行なう。PCRまたは可能であればgene chipによりトランスポーターの発現を予め確認し,蛋白質の加水分解で得られる全ての天然アミノ酸及びそのD体,中性アミノ酸輸送阻害剤,有機アニオン阻害剤,有機カチオン阻害剤,能動輸送阻害剤等による負荷実験を実施する。細胞の種類は、脳腫瘍由来C6ラットグリオーマ,T98Gヒトグリオブラストーマ他の細胞を計画している。
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Causes of Carryover |
CD133 標的指向性のあるリポソームの調整法の確立ができていないので、リポソームキットと限外ろ過膜、各種抗体、放射能と試薬、実験用小動物、他消耗品等の使用に至っていないため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
CD133 標的指向性のあるリポソームの調整法の確立に至っていないため、インビボでのステルス性を配慮するため、負電荷に帯電したリポソームの抗体ラベリングキットを利用し次の項目について検討する。① CD133 との結合条件発現確認法を確立する。② リポソームへの薬剤封入条件の確立。③ ヌードマウスでの腫瘍局在を検討したリポソーム分布により視覚化し、標識化合物の分布と比較する。リポソームキットと限外ろ過膜、各種抗体、他消耗品等が必要となる。更に、正常小動物による放射性人工アミノ酸の体内分布と代謝に関する検討を行うために、125I-標識体を用いて、申請した項目について人工アミノ酸とリポソームの特性を詳しく調べる。このための、放射能と試薬、実験用小動物等が必要となる。
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