2014 Fiscal Year Research-status Report
ダークカウントの無いMcpsエネルギー弁別を利用した高画質前臨床X線CT
Project/Area Number |
26461804
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 英一 岩手医科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (90154038)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | エネルギー弁別X線CT / フォトンカウンティングCT / 単色X線CT / デュアルエネルギーCT / スペクトラルCT / LSO単結晶 / YAP(Ce)-MPPC単結晶 / ZnO単結晶 |
Outline of Annual Research Achievements |
●MPPCを使った検出器の開発: 本研究ではLSO,YAP(Ce),ZnOなどの短発光寿命シンチレーターを用いた。MPPCの受光面に1×1×1 mm3の単結晶シンチレーターを貼り付けて遮光し,BNCコネクターを取り付けた。 ●X線スペクトロメーターの開発: イベントパルスを市販のMCAに入力して,Am-241から発生する59.5 keVのγ線とフォトンカウント用X線装置から発生するX線のスペクトルを測定した。試作する増幅器から発生するイベントパルスの幅は200 ns程度であった。MPPCのピクセル数は1600,400,100の3種であるため,ピクセル数によるMPPC検出器のエネルギー分解能の変化を中心に測定を行った。 ●小型PMTとマイクロPMTを使った検出器の開発: MPPC検出器と比較するため,これらの検出器を作製した。上述の短発光寿命シンチレーターをPMTの光電面に光学グリスで接着して固定し,遮光した。PMTから発生する負のパルスを高速ICで反転増幅した。スペクトル測定にはMCAを用い,ED-CTシステムに組み込んだ。 ●デュアルコンパレーターの開発: コンパレーターにはヒステリシス回路付き反転比較回路を採用し,イベントパルス波高の上下限を設定するため,高速の2chコンパレーターICとマイコンを使ってデュアルコンパレーターを構成した。コンパレーターはイベントパルス波高の下限のみを設定できる。よってエネルギーのレベルと幅を設定し,差分として演算されたカウントパルスはマイコンから出力され,カウンターカード(CC)あるいは周波数・電圧変換器(FVC)でカウントされた。 ●基礎研究用ED-CTシステムの開発: ED-CTシステムでは,イベントパルスをコンパレーターにより高速で弁別し, FVCでカウントする方式を採用した。検出器を精密単軸ロボットに取り付け,最高速度 300 mm/sで振動させ,プロジェクションデータを得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画にしたがって研究を遂行し,予想どおりの結果が得られ,多数の査読付き論文を執筆した。さらにエネルギー弁別CTの高速化,FVCを使った画質の改善,空間分解能の向上などに関する実験も進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は当初の計画に従い,27年度には以下の研究を行う。 ●K-エッジCTへの応用: IとGdの造影剤を希釈して3Dプリンターで作製したファントムに入れる。次いで,2chのデュアルコンパレーターを用いてエネルギーのレベルと幅を設定して撮影する。IとGdのKエッジエネルギーはそれぞれ33.2と50.2 keVであることから,Kエッジよりもわずかに高いエネルギーのX線を用いる。LSO-MPPCやYAP(Ce)-MPPCのエネルギー分解能を考慮し,I-KエッジCTでは35~50 keV,Gd-KエッジCT撮影では52~70 keVのX線を用いる。また,現有の動物ファントムを撮影し,KエッジCT撮影の効果を確かめる。 ●デュアルエネルギーコンパレーターの開発: 2chのデュアルコンパレーターを2個搭載した,エネルギーのレベルと幅を2領域で選択できるエネルギー弁別用コンパレーターを開発する。マイコンから出力する異なるエネルギー領域のカウントパルスはそのまま2chのFVCに入力され,カウントされる。 ●デュアルエネルギーCTへの応用: デュアルエネルギーCT撮影には上述のコンパレーターを用い,被写体は上記のファントムである。I-KエッジCTでは20~32 keVと35~50 keVの2領域で撮影し,画像を比較する。次に,Gd-KエッジCTでは35~49 keVと52~70 keVの領域で撮影する。デュアルエネルギーCTはエネルギー領域が大きく異なる領域でも有効であることから,30~40 keV,80~110 keVの2領域でも撮影し,エネルギーサブトラクションの効果を確かめる。
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Causes of Carryover |
購入した物品が予想額よりも若干安価だったため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰り越すことになった次年度使用額は小額であるため,半導体部品を購入するために使用する。翌年度分は当初の予定通り,デュアルエネルギーCTやスペクトラルCTシステムに関連するデバイスの製作,部品の購入,情報収集や成果発表のための出張旅費などにあてるつもりである。
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Research Products
(26 results)
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[Journal Article] Visualization of microvessels by angiography using inverse-Compton scattering X-rays in animal models2014
Author(s)
T. Fujii, N. Fukuyama, C. Tanaka, Y. Ikeya, Y. Shinozaki, T. Kawai, T. Atsumi, T. Shiraishi, E. Sato, R. Kuroda, H. Toyokawa, K. Yamada,Y. Ikarib, H. Mori
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Journal Title
J. Synchrotron Rad.
Volume: 21
Pages: 1327-1332
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Zero-dark-counting X-ray photon detection using a YAP(Ce)-MPPC detector and its application to computed tomography using gadolinium contrast media2014
Author(s)
S. Kami, E. Sato, H. Kogita, W. Numahata, T. Hamaya, S. Nihei, Y. Arakawa, Y. Oda, H. Kodama, O. Hagiwara, H. Matsukiyo, A. Osawa, T. Enomoto, M. Watanabe, S. Kusachi, S. Sato, A. Ogawa
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Journal Title
Rad. Phys. Chem.
Volume: 100
Pages: 1-7
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Investigation of X-ray photon-counting using ceramic-substrate silicon diode and its application to gadolinium imaging2014
Author(s)
Y. Arakawa, E. Sato, H. Kogita, T. Hamaya, S. Nihei, W. Numahata, S. Kami, Y. Oda, O. Hagiwara, H. Matsukiyo, A. Osawa, T. Enomoto, M. Watanabe, S. Kusachi, S. Sato, A. Ogawa
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Journal Title
Jpn. J. Appl. Phys.
Volume: 53
Pages: 072201-1-5
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Image-quality improvement in pileup-less cadmium-telluride X-ray computed tomography using a frequency-voltage converter and its application to iodine imaging2014
Author(s)
A. Shimamura, E. Sato, S. Shikanai, K. Kitakami, I. Nakaya, W. Nishikawa, Y. Sato, S. Yamaguchi, Y. Oda, O. Hagiwara, H. Matsukiyo, T. Enomoto, M. Watanabe, S. Kusachi, S. Ehara
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Journal Title
Med. Imag. Inform. Sci.
Volume: 31
Pages: 35-40
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Construction of an X-ray detecting module and its application to relative-sensitivity measurement using a silicon PIN diode in conjunction with short-decay-time scintillators2014
Author(s)
S. Nihei, E. Sato, T. Hamaya, W. Numahata, H. Kogita, S. Kami, Y. Arakawa, Y. Oda, O. Hagiwara, H. Matsukiyo, A. Osawa, T. Enomoto, M. Watanabe, S. Kusachi
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Journal Title
Nucl. Instrum. Meth. A
Volume: 767
Pages: 193-198
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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