2015 Fiscal Year Research-status Report
乳がん検出向上と低被ばく撮影を目的とした乳腺トモシンセシスシステム開発と臨床評価
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26461805
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
五味 勉 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (10458747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 徹 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (10197311)
鯉淵 幸生 独立行政法人国立病院機構高崎総合医療センター(臨床研究部), その他部局等, 臨床研究部 部長 (10323346)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | トモシンセシス / 乳がん |
Outline of Annual Research Achievements |
1.検討内容 今年度行う検討の主目的は、昨年度に開発・評価を行った「画質改善ハイブリット処理法」の再評価・再調整を行うことである。画質改善ハイブリット処理法の開発コンセプトは乳腺トモシンセシス像に混入する雑音の低減、乳腺組織像の精度向上、低被ばく線量撮影を実現し微細病変の抽出能向上を図ることである。画質改善ハイブリット処理法を使用して乳腺ファントム画像のコントラストおよび雑音を詳細に評価した結果、低線量による撮像条件下で生成された画像において雑音が増大する傾向が確認された。雑音増大に伴い画像コントラストも低下傾向となり、再評価と再調整が必要であると判断した。改良手法として、空間分解能を保持する目的でアンシャープマスキング処理された投影像から逐次近似再構成法(フィルタ補正逆投影像を基準画像として設定)を使用して再構成された画像と雑音低減目的としてシフト加算像を合成する手法を新たに考案した。この改良手法を使用して異なる線量で撮像された乳腺ファントム画像のコントラスト(contrast-to-noise ratio; CNR)と空間分解能(full width at half maximum; FWHM)を評価した結果、低線量撮像条件下において従来法(フィルタ補正逆投影法、逐次近似再構成法)と比較してコントラストと空間分解能を向上させることが可能となった。 2.意義 雑音低減・微細病変の強調を目的とした改良型ハイブリット処理法は、臨床で使用している通常の照射線量より少ない照射線量での撮像において有用性が期待できる。 3.重要性 乳腺トモシンセシス像の画質改善を図るため、雑音低減・微細病変の抽出能向上を目的とした改良型ハイブリット処理は、被ばく線量の低減と微細病変の診断能向上を図るものであり、画像診断の精度向上に寄与できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
低線量撮像条件下で雑音が増大傾向となる結果を受け、この課題を克服するため本年度は改良型の画質改善ハイブリット処理法の開発・評価を行った。本研究の目的の一つである低線量撮像条件下においても画質が劣化しない手法を開発できた意義は大きい。研究の主目的である改良手法の開発・評価に要した時間が大部分を占める結果となったが、おおむね研究計画通りに遂行できている。
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Strategy for Future Research Activity |
雑音低減と微細病変の抽出能向上を目的とした改良型ハイブリット処理法を開発できた意義は大きい。この成果を最終年度の臨床データ(限定症例数での評価となる予定)で評価し、実用化手法として提案できるよう慎重に検討を重ねていく予定。
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Causes of Carryover |
物品費(GPUボード)が予定していた見積額より定価となったこと、記憶メディア等の物品費用を予定より抑えることができたことによる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度では予算額に本年度の残額を合算し、研究調査費用や消耗品に割り当てる予定。
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Research Products
(3 results)