2015 Fiscal Year Research-status Report
3T MRIによる冠血流予備能評価:心筋血流PET・FFRによる検証
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26461822
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
市川 泰崇 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (80725127)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 正樹 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (10456741)
北川 覚也 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (50378353)
佐久間 肇 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60205797)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 冠血流計測 / MRI / 位相コントラストシネMRI / 15O-H2O心筋血流PET / Coronary flow reserve |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度から当該年度にかけて、虚血性心疾患患者(疑い例を含む)を対象にした検討を開始した。当該年度末までに、計13症例をエントリーし、冠動脈の3テスラ位相コントラストシネMRI(3T PC-MRI)検査及び15O-H2O心筋血流PET/CT検査を実施している。3T PC-MRIでは、安静時及びATP負荷時において、右冠動脈を撮像し、独立した2名の医師が、血流速度予備能(CFVR)を測定し、15O-H2O心筋血流PET/CTから求めた心筋血流予備能(MPR)と比較検討している。これまでの処、全例で、3T PC-MRIからCFVRが計測されており、MPR低下群(2.0未満)におけるCFVR値は、MPR正常群(2.0以上)と比較して、統計学的有意に低値を示すことが明らかとなってきた(1.3±0.3 vs 2.2±1.2, p=0.03)。ROC解析を行うと、MPR低下の検出におけるCFVRのarea under curveは0.88であり、良好な診断能が認められている。CFVRの閾値を1.5とした場合、MPR低下を検出する診断能は、感度80%(4/5)、特異度100%(8/8)であった。CFVRの測定者間の計測再現性は良好であった(Intra-class correlation coefficients = 0.98)。これら結果を取りまとめて、平成28年開催の北米放射線学会へ一般演題として応募している。平成28年度も引き続き、虚血性心疾患症例をさらに蓄積し、検討を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画の通り、平成26年度に健常ボランティアを対象にして、冠動脈血流計測用に3T PC-MRI撮像パラメータを最適化し、平成27年度では、虚血性心疾患患者を対象にして、PC-MRIによるCFVR測定を行って、15O-H2O PET/CTから得られるMPRとの比較検討を開始した。これまでの結果をまとめると、3T PC-MRIから得られるCFVR値は、MPRの低下を予測する有用な指標である可能性が示唆されている。ただし冠動脈血流計測のための3T PC-MRI検査枠が十分に確保できなかった影響があり、虚血性心疾患の症例数は、実施計画数には至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度では、本研究にエントリーする虚血性心疾患患者数を十分に確保できるよう、3T PC-MRI検査枠を増加させるよう調整中で、3T PC-MRIによる非侵襲的な冠動脈血流計測法の検証研究を推進していく予定で、平成28年度末までに、より多くの対象例を基に研究結果をまとめていく予定である。
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Causes of Carryover |
当該年度にて研究対象とした患者数が計画より少なく、検査で使用する負荷薬剤(アデノシン)の購入数を当初計画より低く抑える結果となり、予算金の繰越しを生じることになった主要因となりました。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰越し分に関しては、次年度に使用される負荷薬剤の購入に充てる予定です。
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