2014 Fiscal Year Research-status Report
白質線維束描出と皮質間機能的結合の融合による器質的脳疾患の描出
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26461824
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡田 務 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40726824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 知久 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30321607)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 拡散テンソル画像 / マルチバンドMRI / 皮質間結合 / tract specific analysis / 神経変性疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
京都大学に設置された3テスラMRI装置にて拡散テンソル画像のシークエンスをマルチバンド撮影法を用いたもの、比較目的にて従来のパラレルイメージングを用いたものを作成した。健常被験者および種々の神経変性疾患や脳腫瘍症例、脳血管障害症例において撮影を行い約30例の拡散テンソルデータ、安静時脳機能MRIデータを得た。 第52回米国神経放射線学会、第100回北米放射線学会において情報収集を行った。 マルチバンド法は従来拡散テンソル画像の撮影に用いられているスピンエコー型エコープラナー画像の歪み低減に用いられているパラレルイメージング法と併用した場合、共にジオメトリーファクターと呼ばれるノイズ増幅因子の影響を受けて画像のノイズやエラーが増加したため、歪み補正の方法を評価するためパラレルイメージングのみ併用のエコープラナー撮影とマルチバンド法のみ併用のエコープラナー撮影を行い、両者の違いを比較することにした。マルチバンド法に対する歪み補正の方法として先行研究ではSPM8ソフトウェアを用いたwarping によるMNI space への標準化と、FSLソフトウェアのコンポーネントであるtopup を用いた歪み補正を比較検討した結果、SPM8は標準化のみにしか用いることはできないがtopup は個別症例において歪み補正を独立して行え、個別症例におけるtract specific analysis に応用することができるため、まずはマルチバンド法にtopupを用いた歪み補正とマルチバンド法を用いないパラレルイメージング法による歪み補正を検討することに決定し、現在解析中が進行中である。また、安静時脳機能MRIについては現在得られたデータにより解析方法の確立を現在検討中で、今後は筋萎縮性側索硬化症を始めとした神経変性疾患における線維間連絡の変化を拡散テンソル画像との比較により解析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マルチバンド法+TOPUP による補正とパラレルイメージング法の比較検討論文の投稿には至っていないため
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Strategy for Future Research Activity |
昨年来収集した先行データ検討を元にして、本年(平成27年)4月に筋萎縮性側索硬化症を中心とした神経変性疾患におけるマルチバンド法を用いた拡散テンソル画像を用いた画像診断の前向き観察研究を開始すべく、当院倫理委員会に申請を行った。今後は先行データを元にしたマルチバンド法の有用性に関する検討を早期にまとめ、神経変性疾患を対象とした前向き観察研究へと移行していく予定である。 この前向き診断観察研究では、本年7月より当院にて稼動を開始する独シーメンス社製の最新3テスラMRI装置(SIEMENS Prisma)を従来の3テスラMRI装置(SIEMENS Trio)に代えて用いる予定となっている。このSIEMENS Prisma は、米国ミネソタ大学とアイオワ大学の共同研究であるhuman connectome project (ヒト全脳の白質線維連絡解析計画)の為に同社で特別に設計された専用MRIと同等の強力な傾斜磁場発生装置を備えており、本装置を用いて前向きに健常者および神経変性疾患患者の拡散テンソル画像データの収集を行うことは病態解明に大きく寄与するものと思われる。
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Causes of Carryover |
解析の為に導入予定であったワークステーション装置が、他プロジェクトにて取得した機器を共同利用する事で本年度は解析可能であり、導入を見送ったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
共同利用している該当プロジェクトが本研究の最終年度を待たずに終了しており共同利用は本研究の中途年次で不可能となるため、次年度以降により性能が向上したワークステーションの導入を目指すこととした。
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