2016 Fiscal Year Research-status Report
選択的IRパルスを用いたMR動態イメージングによる脂肪の消化吸収の画像的評価
Project/Area Number |
26461841
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
山本 亮 川崎医科大学, 医学部, 講師 (30319959)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊東 克能 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00274168)
玉田 勉 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (40278932)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 膵外分泌機能 / MRI / 脂肪吸収障害 / 脂肪便 / 腹部症状 |
Outline of Annual Research Achievements |
目的:以前の我々の研究でCine-Dynamic MRCPにより非侵襲的に膵外分泌機能を定量評価することが可能であることが証明された。本研究の目的はCine-Dynamic MRCPを用いて評価した膵外分泌機能と腹部症状との関連性を明らかにすることである。 材料と方法:何らかの腹部症状を有する患者103症例に対しCine-Dynamic MRCPおよび18項目の腹部症状に関するアンケートを行った。腹部症状に対し薬剤が処方され症状が改善している症例を除外し、最終的に42症例が本研究の対象となった。2名の放射線科医の合意によりによりCine-Dynamic MRCPが評価された。膵外分泌スコアとして定量化された膵外分泌機能と18項目の腹部症状との関連性を評価した。 結果:腹部症状18項目のうち項目9「おならの臭いがいつもよりくさい」、項目13「便の量が多い」、項目18「便がやわらかい」の3項目に関してはCine-Dynamic MRCPにより測定された膵外分泌機能の低下に伴い有意に症状が出現する結果となった。その他の15項目の腹部症状に関してはCine-Dynamic MRCPを用いて測定された膵外分泌機能との有意な相関は認められなかった。 考察:結果に示した3項目の腹部症状に関しては膵外分泌機能低下による脂肪吸収障害が原因で現れやすい症状と考えられた。患者がこのような症状を訴えた場合は膵外分泌機能低下による脂肪吸収障害の可能性を疑い、積極的にCine-Dynamic MRCPによる膵外分泌機能評価を行う必要があると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では膵液に分泌だけでなく、リンパ管の流れをMRIで評価する予定であったが、個人差が大きいことやリンパの流れが非常に遅いことから実際には評価が難しかったため、当初の予定を一部変更し脂肪吸収障害による症状と膵液の流れを比較することにした。それが原因で研究進度が遅れ、当初の予定より1年延長を行った。現在は一部変更した研究方法で結果が出そろい、データの解析を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
データの取得は完了しており、現在データの解析を行っている。現時点では予想していたものに近い結果がでており、今後さらに結果を詳細に解析し、結果を学会などで報告および論文作成をする予定としている。
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Causes of Carryover |
最終年度は最終結果を海外などで発表する予定にしていたが、当初の計画より研究結果が出るのが遅れたため、最終結果の発表に予定していた旅費を使用していないため。 なお全体的に旅費の割合が多くなっているが、当初の研究計画どおりに進まない部分があり、一部計画変更を余儀なくされた。その対応に必要な情報収集のため旅費の割合が多くなっている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本研究の最終結果を国内外の学会で発表するための出張旅費におもに使用する予定である。
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