2015 Fiscal Year Research-status Report
CT経時差分画像を用いた胸部診断支援システムに関する研究
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26461842
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
青木 隆敏 産業医科大学, 医学部, 准教授 (40299631)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
興梠 征典 産業医科大学, 医学部, 教授 (60195691)
金 亨燮 九州工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80295005)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | コンピュータ支援診断 / 画像診断 / CT / 経時差分画像 / 肺結節 / 肺癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は「3次元マルチスライスCT画像における経時差分画像システム」の臨床的有用性を検討することである。経時差分画像とは、現在画像から過去画像を差し引くことにより得られる差分画像で、胸部単純X線写真に関してはすでに臨床応用されているが、従来の2次元に基づく手法では正常構造によるアーチファクトが多いため、CT経時差分画像の臨床応用は実現化していない。 平成26年度は、ボクセルマッチング法を改良し、generalized gradient vector flow (GGVF)法とシフトベクトルの平滑化を行う経時差分画像システムを考案し、CT経時差分画像の画質改善を行った。また、マルチスライスCTから得られた3次元画像データを使用し、肺小結節を有する症例を選択して読影実験を行い、本手法が肺結節検出に有効であること確認した。平成27年度は、肺結節の検出能を評価すると同時に、オリジナルの胸部マルチスライスCT画像単独での読影に要する時間と本経時差分画像システムを利用した場合の読影時間を独立観察試験にて比較検討した。その結果、本システムを利用することで解析画像は増加するが、読影時間は延長せず、肺結節検出能は向上した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3次元CT画像データの差分処理において、アーチファクトを少なくするための計算アルゴリズムを導入し、経時差分システムの性能向上を実現した。また、本経時差分画像システムを用い、2cm以下の肺結節症例を含む読影実験データを作成した。読影実験を行った結果、本システムで得られた差分画像を表示することで、診断医の肺結節検出能が向上することを確認した。また、本システムを用いることで読影時間の延長はなく、読影効率を低下させることなく診断能が向上することを確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
本システムの偽陽性や偽陰性の原因について再評価し、システム性能の向上を目指す。さらに、改良を加えた経時差分画像システムが早期肺癌の検出に寄与するか否かを評価する。
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Causes of Carryover |
予定していた学会発表を次年度に延期することになったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究成果を国内・国外の学会で発表するため旅費として使用する。
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Research Products
(2 results)