2014 Fiscal Year Research-status Report
パーキンソン病およびパーキンソン症候群核医学検査における非侵襲的自動定量法の開発
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26461860
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
伊藤 茂樹 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 教授 (80402395)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 認知症 / パーキンソン病 / レヴィ小体型認知症 |
Outline of Annual Research Achievements |
心臓の123Iベンジルグアニジン(123I-MIBG)集積低下が心臓交感神経の変性,脱神経に起因することから、123I-MIBG 心筋シンチは、パーキンソン病(PD)およびレヴィ小体型認知症(DLB)とパーキンソン症候群、遺伝性パーキンソン病、アルツハイマー病などとの鑑別に用いられる。画像診断は心臓(H) と縦隔(M) の123I-MIBG取り込み比率(H/M) を用いるが、H/Mの誤差範囲は大きい。このため、新たな定量法の開発が期待されている。定量法開発には、薬剤の投与量に基づく入力関数の決定が必要不可欠であることから、今年度は、画像の統計学的手法を用いた解析法と組み合わせることにより、入力関数決定法を構築した。 123Iで標識されたイオフルパン(123I-Iofulpane)は、ドパミントランスポーター(DAT)に高い親和性を有する。PD及びDLBは、黒質線条体ドパミン神経の脱落を呈する神経変性疾患であり、単一光子放射断層撮影(SPECT)検査によりDATの脳内分布を画像化することで、神経脱落の有無の確認が可能となることが期待される。定量は集積部およびバックグラウンド部の相対的値であり、基本的には視覚的評価である。このため測定誤差が大きくなり、精度低下の要因となるlことから新たな定量法の開発が期待される。今年度は、定量法開発のための線条体ROI抽出の基盤となるMRI、 CT、SPECT画像による相互の画像重ね合わせを利用し、SPECT画像上の線条体描出の基本原理を構築した。さらに、123I-Iofulpaneの定量法を確立するため、SPECT画像再構成法、および線条体抽出のための関心領域設定法を構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、123I-MIBGの薬物動態を分析し、それらの動態をモデル化し、数学的・統計学的解析手法を用いて入力関数を決定することができた。123I-MIBGが初回循環において肺野にも分布することから、画像解析では、流入量を肺動脈とし、肺野およびその他の集積臓器からの洗い出しおよびその他の集積臓器を加味することで、入力関数決定法を構築できた。 定量法開発のための線条体ROI抽出の基盤となるMRI、 CT、SPECT画像による相互の画像重ね合わせを利用し、SPECT画像上の線条体描出の基本原理を構築できた。
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Strategy for Future Research Activity |
123I-MIBG定量法開発では、出力関数である心筋SPECT画像の計数値抽出法を確立し、入力関数に対する出力関数の比を臨床データを用いて実施し、定量法を構築するとともに、その方法の整合性を図る。さらに、自動プログラム化を実施する。 123I-Iofulpaneでは、MRI画像を用いる線条体描出のプロセスの精度を高めるための、自動線条体抽出プログラムを構築する。さらに、MRI、CT、SPECT画像の自動重ね合わせプログラムを構築する。
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Causes of Carryover |
物品購入費用に満たないため、次年度合算が妥当であると判断した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
物品購入不足分を補う。
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