2014 Fiscal Year Research-status Report
進行肝細胞癌に対する薬剤溶出性ビーズを用いた新規肝動脈塞栓術の開発
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26461868
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
阪口 浩 奈良県立医科大学, 医学部, その他 (10205734)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 都始子 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (00208802)
田中 利洋 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (70326338)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | インターベンショナルラジオロジー(IVR) |
Outline of Annual Research Achievements |
2mm角のVX2腫瘍をニュージーランド・ラビットの肝臓左葉に移植し、家兎肝腫瘍モデルを作成した。本腫瘍モデルは移植する細胞の状態や移植からの日数(腫瘍発育期間)によって腫瘍のvascularity(流入動脈血流量)の程度が異なるため、異なる条件下;凍結腫瘍/大腿部筋肉内増殖腫瘍,発育期間2週間/3週間/4週間,におけるvascularityを血管造影および超音波下に評価した。その結果、大腿部筋肉内増殖腫瘍を2週間発育させた群が最もvascularityが高く、肝細胞癌の様な多血性腫瘍モデルとして適しているという結論に至った。一方で凍結腫瘍を3週間育成させた群はfineな腫瘍栄養血管を有し、腫瘍内部壊死も見られることから膵癌肝転移などの傍血性腫瘍モデルとして適していると考えられた。本研究結果は肝腫瘍モデルを用いたIVRの基礎研究において必要な基礎データとなる得ると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
肝細胞癌に対する新規ビーズTACEの開発に関する基礎研究を行うにあたり、多血性腫瘍モデルの作成は必要不可欠であるが、超音波画像で評価可能なvascularityを有する腫瘍を育成するには一定の条件下で細胞移植を行う必要があることが明らかになり、今年度はその条件を検討する研究にとどまった。
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Strategy for Future Research Activity |
今回作成した腫瘍モデルを用いて、ビーズの生体内動態の超音波画像を用いた観察を行う。またTACE後の再開通(ビーズの再分布現象)に関する研究も行う予定である。
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Causes of Carryover |
超音波画像で評価可能な多血性腫瘍モデルの作成に時間を要し、当初施行計画に含んでいた「超音波画像を用いたビーズの生体内動態の解明」の研究が遅れているため次年度使用額が生じました。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
まず「超音波画像を用いたビーズの生体内動態の解明」を行い、引き続いて計画内容に含まれている「ビーズ再分布現象による腫瘍血管の再開通」に関する研究に移行する。
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