2014 Fiscal Year Research-status Report
癌関連線維芽細胞による液性因子分泌に対する放射線照射の効果と癌病態への影響
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26461875
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| Research Institution | Hokkaido University |
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Principal Investigator |
山盛 徹 北海道大学, (連合)獣医学研究科, 准教授 (00512675)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安井 博宣 北海道大学, (連合)獣医学研究科, 助教 (10570228)
高木 哲 北海道大学, (連合)獣医学研究科, 准教授 (50396305)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | 癌関連線維芽細胞 / 放射線 / サイトカイン / 癌 / 腫瘍間質 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
近年、癌組織における癌細胞以外の細胞（腫瘍間質）が癌の病態にきわめて重要であることが明らかになりつつあるものの、腫瘍間質に対する放射線照射の効果については、これまでほとんど検討されていない。申請者は、腫瘍間質内に最も多く含まれる細胞である癌関連線維芽細胞(CAF)およびそこから分泌される液性因子に着目し、CAFへの放射線照射はその液性因子分泌形質を変化させ、それが放射線治療後の残存癌細胞の性質に影響を与えるのではないかと考え、これについて検証することを目的に本研究を開始した。
まず、実験的にCAFを調製するモデルが必要であることから、その予備的検討として、同種同所性移植腫瘍モデルの作出を試みた。具体的には、マウス乳癌由来細胞株であるEMT6および4T1をBalb/cマウスの乳腺脂肪組織に移植し腫瘍形成が起こるかどうかを観察した。その結果、どちらの細胞株でも移植腫瘍の形成が観察されたが、その後の病態には違いが観察された。さらに、EMT6細胞とマウス胎児由来正常線維芽細胞を混合し移植した場合、線維芽細胞を加えた場合に腫瘍形成の促進が観察された。今年度の検討により移植腫瘍モデルが確立されたので、今後このモデルを用いて実験的なCAFの作出を行う予定である。
また、放射線照射を受けたCAFから分泌されるサイトカイン等の解析の予備実験として、正常線維芽細胞に放射線照射を行い、そこから分泌されるサイトカインの解析を抗体アレイおよび定量PCR法により解析した。その結果、放射線により顕著に誘導される幾つかのサイトカインが見出された。また、このサイトカイン分泌には照射線量に応じた分泌のパターンが複数存在することが示唆された。今後、本データを元に、CAFと正常線維芽細胞において放射線により誘導されるサイトカイン分泌の比較を行い、CAF特異的な因子を同定することを計画している。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画では、本年度中に実験的なCAFの調製・分離を完了し、細胞レベルでの解析を開始する予定であったが、CAFを分離するためのモデルの確立に予定以上に時間を要しており、これにより計画の進行にやや遅れがみられる。しかしながら、その樹立に必要な材料やシステムの準備は既に済んでおり、現在CAFの作出に着手しているところであるため、全体の研究の進捗に大きな影響はないと考える。また、本年度中に今後の研究に必要だと思われる実験材料の調製や実験の予備的検討も行い、ここからいくつか興味深い知見が得られていることから、次年度以降における大きな進展が期待できるものと考える。
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| Strategy for Future Research Activity |
本年度の検討を基に、次年度はまず実験的CAFの作出を達成する。その後、当初計画に従い、放射線照射後のサイトカイン分泌について正常線維芽細胞との違いについて検討し、その後、癌ー腫瘍間質相互作用における放射線照射の影響についての細胞レベルでの解析を実施する。さらに、研究が順調に進捗した場合には、次年度以降のin vivo解析の一部について予備的検討を行いたい。また研究の進捗状況に応じて、本研究から得られた結果をまとめ論文発表および学会発表の形で成果の報告を行う予定である。
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| Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は二つあり、一つは先述の通り研究の進行がやや遅れていることにより当初予定していた予算の執行が行われなかったことによるものであり、もう一つは予算使用について効率的な使用を行ったことにより経費が節減できたことによるものである。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額の使用計画としては、研究の実施に必要な物品の購入に充てる予定である。また次年度の研究費は、研究の遂行に必要な物品費、論文作成・校正の費用、国内外学会発表のための旅費、通信費およびデータ整理等の研究補助に対する謝金等として使用する予定である。その使用は妥当で有り、有効に研究費を使用できると考える。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Radiosensitization of tumor cells through endoplasmic reticulum stress induced by PEGylated nanogel containing gold nanoparticles2014
Author(s)
Yasui H, Takeuchi R, Nagane M, Meike S, Nakamura Y, Yamamori T, Ikenaka Y, Kon Y, Murotani H, Oishi M, Nagasaki Y, Inanami O
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Journal Title
Cancer Letter
Volume: 347(1)
Pages: 151-158
DOI
Peer Reviewed
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