2014 Fiscal Year Research-status Report
頭頸部扁平上皮癌におけるHPV statusによるX線および重粒子線治療への影響
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26461878
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
白井 克幸 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10400748)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 頭頸部扁平上皮癌 / HPV status / p16 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の分子生物学の進歩により、頭頸部扁平上皮癌はHPV感染に起因した腫瘍であるかどうかで、放射線感受性が異なることが示唆されている。 HPV positive扁平上皮癌は、negative扁平上皮癌に比べ、放射線に対して抵抗性であり生存率も不良であると報告されている。当施設では、放射線抵抗性腫瘍である頭頸部非扁平上皮癌に対して重粒子線治療を施行しており、良好な局所制御を認めている。重粒子線治療は放射線抵抗性腫瘍に有効であるため、HPV negative扁平上皮癌に対しても、効果的である可能性がある。しかし、HPVのstatusによって、重粒子線治療とX線治療の効果が異なるかは、基礎研究においても報告がなく、いまだ不明である。 当該研究では、頭頸部扁平上皮癌において、HPV statusによる重粒子線治療、X線治療の各々の効果を検討する。また、実際に当院で放射線治療を施行した扁平上皮癌患者のHPV statusを確認し、予後を解析予定である。平成26年度においては、群馬大学において化学放射線治療を施行した頭頸部扁平上皮癌患者の臨床データ(治療法、予後解析、副作用など)の集積を行った。HPV status (p16の有無)についても、近年のデータについては登録集積した。過去の患者については、改めて未染の標本から免疫染色をして評価する予定である。また、in vitro研究を開始する上で、必要な実験準備(細胞株の発注、試薬の準備など)を行った。平成27年度からは、X線治療ならびに重粒子線治療を開始し、照射効果の差をclonogenic survival assayで検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今研究では、頭頸部扁平上皮癌に対する、HPV statusによる化学放射線治療効果の臨床解析と、in vitroでの放射線抵抗性の探索がメインテーマとなっている。平成26年度では、臨床解析の充実を図ることができ、また次年度以降のin vitro研究を推進するための準備(これまでの報告の確認、細胞株の発注、試薬の準備など)を行った。平成27年度からは、重粒子線治療研究のマシンタイムも獲得しており、in vitro研究を開始する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
in vitroでの研究に必要な、HPV positiveおよびnegativeの細胞株を購入済みである。X線治療および重粒子線治療を行い、生物効果比を算出する予定である。その上で、アポトーシス、細胞周期、DNA修復、その他の放射線抵抗性因子探索する目的で、western blotting, Flow cytometry, γ2AXを行う予定である。
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Causes of Carryover |
当該年度では臨床データの集積を中心に行っており、in vitro研究はその準備の費用のみで高額な物品は不要であったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度では、in vitro研究に必要な癌細胞株の購入や、培養液などの購入が必要であり、予定の使用額となると予想される。
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