• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2014 Fiscal Year Research-status Report

がんの発症や進展へ影響を及ぼす炎症性分子インフラマソームの検討

Research Project

Project/Area Number 26461908
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

杉本 博行  名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20437007)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 野本 周嗣  愛知学院大学, 歯学部, 教授 (40300967)
Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywordsインフラマソーム / 癌 / 進展 / 発がん / 炎症
Outline of Annual Research Achievements

これまでに癌部と非癌部を比較した典型的なC型慢性肝炎を背景とした肝細胞がん(HCC)症例2例の発現アレイを実施した。
発現アレイの結果より、癌部と非癌部で発現に有意な差を認めたインフラマソーム分子を抽出し、約170例のHCC症例で発現の変化を確認した。発現の変化が予後と有意に相関した分子を認めたため、これら知見をまとめて論文を作成し投稿した。現在、査読されている段階である。
結果としては、インフラマソームの最も重要な分子であるNLRP3の発現が肝細胞がん発生の背景の肝臓で高発現している症例は、低い発現の症例と比較すると有意に予後が不良であることが示された。また、NLRC4の発現が高い症例でも発現が低い症例と比較すると有意に予後が不良であった。さらにCASP1の発現でも、背景肝で高発現群は低発現群と比較すると有意に予後が不良であった。
このように、炎症の状況を反映するインフラマソーム分子の発現が肝細胞がんの予後の良悪を規定することは新たな知見であり本年7月に開催される日本消化器外科学会にて発表の予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

我々は各種の消化器がん検体を用いて発現アレイ解析を行うことにより発現に異常を示すインフラマソーム分子を抽出する予定であった。
しかし、まずは肝細胞がん(HCC)の解析を行い、この結果をもとに症例数を増加させて、発現の解析を行い、臨床病理学的検討を行ったところ、これらの解析に予測していた以上の労力と時間を要することがわかった。
さらに、食道がん、胃癌、結腸癌などの解析を予定しているが、アレイ解析を行うべき典型的な症例の選出に時間を要している。このため、アレイ解析を行う前段階で核酸の抽出を行い、効率よく異常分子を抽出できるよい症例を検討している段階である。

Strategy for Future Research Activity

まずは消化管由来の癌種での発現アレイ解析を進めたい。この結果をもとに、癌部と非癌部で有意な発言の変化を認め、術後経過や予後と相関のあるインフラマソーム分子を抽出し、症例数を増やして解析し、論文の作成を行っていきたい。
さらに肝細胞がんで認めた癌を有意に増進させる分子についてはそのメカニズムを解明するようにしたい。
さらには、血清でのインフラマソームの発現が手術後の患者の状態によりどのように変化するのか、についても検体採取を行って解析していきたい。

Causes of Carryover

肝細胞がん(HCC)の解析を行い、この結果をもとに症例数を増加させて、発現の解析を行い、臨床病理学的検討を行ったところ、これらの解析に予測していた以上の労力と時間を要した。
さらに、食道がん、胃癌、結腸癌などの解析を予定しているが、アレイ解析を行うべき典型的な症例の選出に時間を要したために次年度使用額が生じた。

Expenditure Plan for Carryover Budget

症例を選出し、核酸を抽出し得たので、アレイ解析を近々行う予定であるため、まずは発現アレイの実施に研究費を使用する予定である。
この結果を元にして、インフラマソーム分子の発現で病態や予後に有意な差を認める分子を抽出し、これらの発現解析のため、定量RT-PCRを検討するためのプライマーや、cDNA作成試薬、定量RT-PCR試薬等に使用する予定である。

URL: 

Published: 2016-05-27  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi