Outline of Annual Research Achievements |
昨年までに行った、内視鏡手術, 特に腹腔鏡手術の安全性,正確性の向上を目的とした、従来にない3Dプリンターと生体の質感の立体再現による直感的臓器立体モデル手術支援教育システムの確立に関する研究を行った。医用デジタル画像解析データから, 多素材混合3Dプリンターにて肝臓,腎臓, 消化管, 血管などを立体造形し, 主に腹腔臓器の形状と機能を同時に可視化・可触化した臓器モデルを作製し、 これを用い実際に手術手技を実施後, 臨床での実際の手術とビデオ映像などで比較参照し, 手術内容を検証, 術者の手技, 手術の難易度, 機器使用の適切さ, モデルの改良点を評価した. 評価と改良を繰り返し, より実践的な直感的手術支援システムをシミュレーション,トレーニング法として確立し普及させた. とくに平成27年度は、 手術ナビゲーションとして, 主に肝臓, 腎臓, 消化管を対象とした腹腔鏡手術患者モデルを作成し, 手術ビデオと比較し手術の評価や改善へのアドバイスを行った.手術手技の改善や手術器具開発への提言により腹腔鏡手術の最適化へプログラムを策定できた。その成果を諸学会や社会へ還元し, 安全で高度な腹腔鏡手術の普及を図った.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の平成28年度以降は、手術トレーニングとして, 肝臓, 腎臓, 消化管を対象とした腹腔鏡手術の基本手技を再現し, その習熟度を点数化する. ラーニングカーブを経時的に作製し, 熟練度の異なる外科医間での難易度解離の要因要素解析を行う. これらをロボット手術と開腹手術でも有用性評価を行い,改良する. 熟練・若手外科医でのトレーニング効果の比較を行う. 可能ならば臨床評価を行い確実で正確安全な手術手技を再現できる外科手技修練法を確立する予定である.
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