Outline of Annual Research Achievements |
内視鏡手術, 特に腹腔鏡手術の安全性,正確性の向上を目的として,申請者が発明した特許技術である生体質感造形技術を用い, 従来にない3Dプリンターと生体の質感の立体再現による直感的臓器立体モデル手術支援教育システムを確立した. 医用デジタル画像解析データから, 多素材混合3Dプリンターにて肝臓,腎臓, 消化管, 血管などを立体造形し, 主に腹腔臓器の形状と機能を同時に可視化・可触化した臓器モデルを作製した. これを用い実際に手術手技を実施後, 臨床での実際の手術とビデオ映像などで比較参照し, 手術内容を検証, 術者の手技, 手術の難易度, 機器使用の適切さ, モデルの改良点を評価した. これらを国内外の学会研究会、論文などに報告した。 平成28年度は手術トレーニングとして, 肝臓, 腎臓, 消化管を対象とした腹腔鏡手術の基本手技を再現し, その習熟度を点数化迄を予定したが、主任研究者の所属先が神戸から東京に移動となり、研究継続施設の立ち上げや機材の移転、予算管理の移行などに時間を要したため、 当初の予定であった、ラーニングカーブの経時的作製や, 熟練度の異なる外科医間での難易度解離の要因要素解析などは次年度へ研究期間を延長し、継続して行うこととした。 またこれらをロボット手術と開腹手術でも有用性評価を行い,改良する予定である。また.熟練・若手外科医でのトレーニング効果の比較と臨床での評価を行い、確実で正確安全な手術手技を再現できる外科手技修練法の確立を目標とした研究を継続予定である。 その一部の成果により、VR Creative Award 2016 優秀賞(2016.6)、日本コンピュータ外科学会2015年度CAS Young Investigator Award シルバー賞(日立賞)(2016.11.26)、Microsoft Innovation Award 優秀賞 (2017.3.22)、第58回科学技術映像祭優秀賞 (2017.4)を受賞した。
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