2014 Fiscal Year Research-status Report
2光子励起顕微鏡を用いた小腸虚血再灌流障害時における好中球動態の解析
Project/Area Number |
26461918
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
本田 正樹 熊本大学, 大学院生命科学研究部 小児外科学・移植外科学分野, 助教 (80573609)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武市 卒之 熊本大学, 医学部附属病院 小児外科・移植外科, 非常勤診療医師 (00380999)
猪股 裕紀洋 熊本大学, 大学院生命科学研究部 小児外科学・移植外科学分野, 教授 (50193628)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 小腸虚血再灌流障害 / 好中球動態 / 2光子励起顕微鏡 / 小腸移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
小腸移植や絞扼性イレウスなど、我々小児外科・肝移植領域において非常に重要な問題である小腸虚血再灌流障害の病態解明に向け、2光子励起顕微鏡を用いてマウス小腸虚血再灌流障害時の好中球動態を解析するべく研究を行っている。平成26年度は主に以下の項目につき研究を行った。 1.2光子励起顕微鏡を用いての小腸の観察方法の確立と小腸虚血再灌流障害時の好中球動態の観察 固形臓器の観察報告は数多くされているが、小腸のように拡張と収縮といった蠕動運動を繰り返す臓器において、ミクロ単位で観察を行う2光子励起顕微鏡を用いたイメージング法の開発は困難であった。他の報告を参考に、固定器を用いたマウス小腸の固定方法を確立、さらに蠕動抑制薬の使用等により、現時点では遜色ない観察方法が確立出来たと思われる。小腸の層毎(漿膜から絨毛先端まで)の観察が可能であり、また同一個体を最長4時間まで連続して生かしたまま観察することが可能となっている。この観察方法を用いて、Control群としてのsham operationマウスと、上腸間膜動静脈45分クランプによる虚血再灌流群マウスの好中球動態を観察・分析した。経時的な好中球数の増加や、好中球の血管壁への接着、ローリング、粘膜固有層内への浸潤の過程を捉えることに成功している。 2.血液学的評価、病理学的評価との照らし合わせ 2光子励起顕微鏡で観察出来た好中球動態を、血液生化学所見、病理学的評価と照らし合わせ、その影響や意味を考察している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2光子励起顕微鏡を用いて、マウス小腸をin vivo、real timeに観察する方法確立には難渋したものの、Controlとしたsham operation群と、虚血再灌流傷害群の好中球動態の基礎データの取得は概ねできた。
|
Strategy for Future Research Activity |
薬物投与モデルでの好中球動態の変化を捉えること、小腸虚血再灌流傷害時の他臓器での好中球動態を捉えることを中心に研究を進めていく予定である。
|
Causes of Carryover |
平成26年度は、薬剤投与モデルの作製までに至る事ができなかったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
薬剤投与モデルの観察のための薬剤費を中心に使用する予定である。
|