肝切除術後肝不全予防のための術中ビジリオモニタリングによる新規管理法の開発

2015 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 26461920
• Research Institution: Sapporo Medical University
• Principal Investigator: 目黒 誠 札幌医科大学, 医学部, 講師 (50448601)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 水口 徹 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (30347174) ; 川本 雅樹 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (70404605)
• Project Period (FY): 2014-04-01 – 2017-03-31
• Keywords: FloTrac/Vigileoシステム / Stroke volume variation / ΔScvO2 / 術後総ビリルビン最高値 / 肝切除

Outline of Annual Research Achievements

われわれが、これまでに報告してきた術後総ビリルビン最高値を抑制しうるカットオフ値であるΔScvO2値が10.2%以上の値を示した後に、輸血や補液強化などの術中全身管理を早期に行うことで、術後総ビリルビン値の上昇を抑制できるかをみるために、平成27年度にもFloTrac/Vigileoシステムを用いた肝切除術中モニタリングとともにデータ採取を行った。採取されたデータからΔScvO2値が10.2%以上となったときの術中に施行された治療内容ならびに、その後のアウトカムについても以前のデータと比較して検討した。また、術中、間欠的に肝阻血再灌流を繰り返し、肝切除を行い、同時に肝静脈からの出血コントロール目的に、中止静脈圧（CVP）を低値にしていただいている。一方、FloTrac/Vigileoシステムでモニタリングできるfluid resuscitationの指標であるStroke volume variation (SVV)値において、肝実質離断中のSVV平均値をモニタリング採取データから算出して、術中出血量に差を認めていたかも検討した。ΔScvO2値による術中管理と肝離断中SVV平均値による肝切除時の出血量抑制効果についてのアウトカム改善効果について検討を加えて結果をまとめていく予定である。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

平成27年度における肝切除術中モニタリング症例のうち、背景肝が正常であった症例は少なめであった。この症例とこれまでに施行した症例のデータとあわせて、検討をすすめていきたい。

Strategy for Future Research Activity

肝切除術中にΔScvO2が10.2%以上となったところで肝切除術中全身管理が行われた症例の術後の血液生化学検査値などから、これらの値を以前に施行したデータと比較検討し、その効果を明らかにしていきたい。また、肝実質離断中のSVV平均値により、術中出血量に差を認めるかどうかの検討も行い明らかにしていきたい。肝切除術にまつわる周術期関連データについても考察し、より安全な肝切除術の遂行を目指して研究を進めていきたい。

Causes of Carryover

平成27年度には、データを管理、集積し、統計学的検討を加え、国内学会参加、発表などの経費にも使用いたしております。最終年度に使用すべきもののために、幾分余裕を持っての研究費使用とさせていただきましたので、次年度使用額が生じました。

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度には、これまでのデータ解析も行います。このほか、必要な経費を吟味して使用する予定です。

Research Products

• [Journal Article] Prognostic roles of preoperative α-fetoprotein and des-γ-carboxy prothrombin in hepatocellular carcinoma patients. (2015)
  • Author(s): Meguro M, Mizuguchi T, Nishidate T, Okita K, Ishii M, Ota S, Ueki T, Akizuki E, Hirata K.
  • Journal Title: World J Gastroenterol. Volume: 21 Pages: 4933-4945
  • DOI: 10.3748/wjg.v21.i16.4933.
  • Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
• [Journal Article] Clinical comparison of laparoscopic and open liver resection after propensity matching selection. (2015)
  • Author(s): Meguro M, Mizuguchi T, Kawamoto M, Ota S, Ishii M, Nishidate T, Okita K, Kimura Y, Hirata K.
  • Journal Title: Surgery. Volume: 158 Pages: 573-587
  • DOI: 10.1016/j.surg.2015.02.031.
  • Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
• [Journal Article] New technique of extracorporeal hepatic inflow control for pure laparoscopic liver resection. (2015)
  • Author(s): Mizuguchi T, Kawamoto M, Nakamura Y, Meguro M, Hui TT, Hirata K.
  • Journal Title: Surg Laparosc Endosc Percutan Tech. Volume: 25 Pages: 16-20
  • DOI: 10.1097/SLE.0b013e3182a4c0f4.
  • Peer Reviewed
• [Journal Article] Impact of aging on morbidity and mortality after liver resection: a systematic review and meta-analysis. (2015)
  • Author(s): Mizuguchi T, Kawamoto M, Meguro M, Okita K, Ota S, Ishii M, Ueki T, Nishidate T, Kimura Y, Furuhata T, Hirata K.
  • Journal Title: Surg Today Volume: 45 Pages: 259-270
  • DOI: 10.1007/s00595-014-0863-y.
  • Peer Reviewed
• [Journal Article] Surgical and oncological impact of main pancreatic duct spread in invasive ductal adenocarcinoma: A clinicopathological study of 184 resected cases. (2015)
  • Author(s): Ishii M, Kimura Y, Sugita S, Imamura M, Ito T, Nobuoka T, Meguro M, Hasegawa T, Mizuguchi T, Hirata K.
  • Journal Title: Pancreatology Volume: 15 Pages: 681-687
  • DOI: 10.3748/wjg.v20.i12.3335.
  • Peer Reviewed
• [Journal Article] B型肝炎ウイルス感染症に関する最近の動向 (2015)
  • Author(s): 水口 徹, 目黒 誠, 沖田 憲司, 西舘 敏彦, 信岡 隆幸, 今村 将史, 河野 豊, 高木 秀安, 佐々木 茂, 宮西 浩嗣, 加藤 淳二, 平田 公一
  • Journal Title: Surgery Frontier Volume: 22 Pages: 221-226
• [Journal Article] 常在細菌叢の解析と治療的応用 NASHと腸内細菌叢 (2015)
  • Author(s): 目黒 誠, 水口 徹, 沖田 憲司, 西舘 敏彦, 植木 知身, 秋月 恵美, 及能 大輔, 信岡 隆幸, 木村 康利, 平田 公一
  • Journal Title: Surgery Frontier Volume: 22 Pages: 250-254
• [Presentation] 肝細胞癌術前BCAA製剤内服による予後への影響について ～バイオマーカーとしてのBTR変動の意義～ (2016)
  • Author(s): 目黒 誠、水口 徹、沖田憲司、西舘敏彦、植木知身 秋月恵美、及能大輔、伊東竜哉、今村将史 信岡隆幸、木村康利、竹政伊知朗
  • Organizer: 第116回 日本外科学会定期学術集会
  • Place of Presentation: 大阪国際会議場（大阪市）
  • Year and Date: 2016-04-10 – 2016-04-10
• [Presentation] FloTrac/Vigileoシステムによる上大静脈内酸素飽和度の変動値を用いた肝切除術中治療的介入の検討 (2015)
  • Author(s): 目黒 誠、水口 徹、沖田憲司、西舘敏彦、植木知身、秋月恵美、信岡隆幸、木村康利、竹政伊知朗
  • Organizer: 第22回 外科侵襲とサイトカイン研究会
  • Place of Presentation: 京都市国際交流会館（京都市）
  • Year and Date: 2015-12-12 – 2015-12-12
• [Presentation] 腹腔鏡下肝部分切除を究める 腹腔鏡下肝部分切除を究める経過中の報告 (2015)
  • Author(s): 水口 徹, 目黒 誠, 沖田 憲司, 西舘 敏彦, 植木 知身, 久能 大助, 信岡 隆幸, 伊東 竜哉, 木村 康利, 太田 盛道, 平田 公一, 古畑 智久
  • Organizer: 第28回 日本内視鏡外科学会総会
  • Place of Presentation: 名古屋東急ホテル（愛知県名古屋市）
  • Year and Date: 2015-12-10 – 2015-12-12
• [Presentation] 当科における腹腔鏡（補助）下肝切除術の現状について (2015)
  • Author(s): 目黒 誠、水口 徹、沖田憲司、西舘敏彦、植木知身 秋月恵美、及能大輔、伊東竜哉、今村将史 信岡隆幸、木村康利、古畑智久、竹政伊知朗
  • Organizer: 第28回 日本内視鏡外科学会総会
  • Place of Presentation: 大阪国際会議場（大阪市）
  • Year and Date: 2015-12-10 – 2015-12-10
• [Presentation] 血液から酵母様真菌が出たとき、まず何が必要か、抗菌薬はどう使うか (2015)
  • Author(s): 水口 徹 目黒 誠, 川本 雅樹, 沖田 憲司, 信岡 隆幸, 西舘 敏彦, 今村 将史, 伊東 竜哉, 木村 康利, 平田 公一
  • Organizer: 第28回 日本外科感染症学会総会学術集会
  • Place of Presentation: 名古屋東急ホテル（愛知県名古屋市）
  • Year and Date: 2015-12-02 – 2015-12-03
• [Presentation] 当施設における肝切除術後創感染予防に関する抗菌薬投与法および創管理法の工夫について (2015)
  • Author(s): 目黒 誠、水口 徹、沖田憲司、西舘敏彦、植木知身 秋月恵美、及能大輔、今村将史、信岡隆幸 木村康利、古畑智久、竹政伊知朗、平田公一
  • Organizer: 第28回 日本外科感染症学会総会学術集会
  • Place of Presentation: 名古屋東急ホテル（愛知県名古屋市）
  • Year and Date: 2015-12-02 – 2015-12-02
• [Presentation] 高齢者に対する外科治療(肝、胆、膵) 高齢者に対する肝切除術の治療成績 システマティクレヴューとメタ解析 (2015)
  • Author(s): 水口 徹 目黒 誠, 川本 雅樹, 沖田 憲司, 信岡 隆幸, 西舘 敏彦, 今村 将史, 伊東 竜哉, 木村 康利, 平田 公一
  • Organizer: 第77回日本臨床外科学会総会
  • Place of Presentation: 福岡国際会議場（福岡市）
  • Year and Date: 2015-11-26 – 2105-11-28
• [Presentation] 肝細胞癌初回肝切除術前の分枝鎖アミノ酸製剤内服の意義について ～BTR値の術前変動からみた検討～ (2015)
  • Author(s): 目黒 誠、水口 徹、沖田憲司、西舘敏彦、植木知身 秋月恵美、及能大輔、伊東竜哉、今村将史 信岡隆幸、木村康利、竹政伊知朗
  • Organizer: 第77回日本臨床外科学会総会
  • Place of Presentation: 福岡国際会議場（福岡県福岡市）
  • Year and Date: 2015-11-26 – 2015-11-26
• [Presentation] 肝臓外科医が術中モニタリングをしたら ―麻酔科医と外科医との共通言語― (2015)
  • Author(s): 目黒 誠
  • Organizer: 第43回 沖縄県麻酔・集中治療セミナー
  • Place of Presentation: 沖縄県医師会館（沖縄県南風原町）
  • Year and Date: 2015-08-29 – 2015-08-29
  • Invited
• [Presentation] 肝細胞癌切除後の予後因子としての分枝鎖アミノ酸/チロシン比(BTR)の有用性～周術期 栄養管理の観点から～ (2015)
  • Author(s): 目黒 誠、水口 徹、沖田憲司、西舘敏彦、植木知身 秋月恵美、及能大輔、伊東竜哉、今村将史 信岡隆幸、木村康利、竹政伊知朗
  • Organizer: 第70回 日本消化器外科学会総会
  • Place of Presentation: アクトシティ浜松 （静岡県浜松市）
  • Year and Date: 2015-07-15 – 2015-07-15
• [Presentation] FroTrac/Vigileoシステムによる肝切除術中モニタリングの有用性とその適応について (2015)
  • Author(s): 目黒 誠、水口 徹、沖田憲司、西舘敏彦、植木知身、秋月恵美、信岡隆幸、木村康利、平田公一
  • Organizer: 第40回 日本外科系連合学会学術集会
  • Place of Presentation: 京王プラザホテル新宿（東京都新宿区）
  • Year and Date: 2015-06-19 – 2015-06-19
• [Presentation] 各領域におけるエネルギーデバイス使用の工夫 切離・剥離・止血 肝切除術におけるモノポーラーデバイスの功罪 (2015)
  • Author(s): 水口 徹, 目黒 誠, 沖田 憲司, 西舘 敏彦, 太田 盛道, 植木 知身, 今村 将史, 伊東 竜也, 木村 康利, 信岡 隆幸, 平田 公一
  • Organizer: 第40回 日本外科系連合学会学術集会
  • Place of Presentation: 京王プラザホテル新宿（東京都新宿区）
  • Year and Date: 2015-06-18 – 2015-06-19
• [Presentation] 肝臓外科の最前線(開腹及び内視鏡手術) 開腹肝切除と腹腔鏡肝切除の最前線 戦略と技術の観点から (2015)
  • Author(s): 水口 徹, 目黒 誠, 沖田 憲司, 西舘 敏彦, 植木 知身, 久能 大助, 信岡 隆幸, 伊東 竜哉, 木村 康利, 太田 盛道, 平田 公一, 古畑 智久
  • Organizer: 日本肝胆膵外科学会学術集会
  • Place of Presentation: 台場 ホテルグランパシフィックLE DAIBA (東京都港区）
  • Year and Date: 2015-06-11 – 2015-06-13
• [Presentation] 肝切除後肝不全回避への挑戦 ～術中モニタリング指標の知見から～ (2015)
  • Author(s): 目黒 誠、水口 徹、沖田憲司、西舘敏彦、植木知身、秋月恵美、信岡隆幸、木村康利、平田公一
  • Organizer: 第30回 日本Shock学会総会
  • Place of Presentation: 京王プラザホテル八王子 （東京都八王子）
  • Year and Date: 2015-05-23 – 2015-05-23
• [Presentation] 肝臓外科医が術中モニタリングをしたら ―麻酔科医と外科医との共通言語― (2015)
  • Author(s): 目黒 誠
  • Organizer: 第26回 日本臨床モニター学会
  • Place of Presentation: ニューオータニイン札幌（札幌市）
  • Year and Date: 2015-05-15 – 2015-05-15
  • Invited