2016 Fiscal Year Annual Research Report
肝切除術後肝不全予防のための術中ビジリオモニタリングによる新規管理法の開発
Project/Area Number |
26461920
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
目黒 誠 札幌医科大学, 医学部, 講師 (50448601)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水口 徹 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (30347174)
川本 雅樹 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (70404605) [Withdrawn]
山口 洋志 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (80457704)
石井 雅之 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (50643201)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | FloTrac/Vigileoシステム / 肝切除 / Stroke volume variation / 上大静脈内酸素飽和度 / 術後肝不全 / 術中モニタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
我々がこれまでに報告してきた、FloTrac/Vigileoシステムを用いた肝切除術中モニタリングにより算出された肝切除後肝不全を予防しうる値である、上大静脈内酸素飽和度(ScvO2)における手術開始時の基準値からのScvO2の低下度(ΔScvO2)が10.2%を超えないように、また、Stroke volume variation (SVV)の術中の平均値(mean SVV)が13.6%を超えないように術中管理の目標として管理することによって術後のアウトカムが変わってくるかどうかを検証することを目的とした(Meguro et al. Surgery 2013でこれらのカットオフ値を報告済み)。肝切除術前に院内IRBにより認可していただき、患者さんに説明し同意していただいた上で肝切除術中にモニタリングを行いつつ、麻酔科医に協力していただきながら、これらの目標値を参考にして術中全身循環管理を行ってきた。具体的には、ΔScvO2値が10.2%を超えるようなときに昇圧剤投与、輸血、補液強化などの管理を行っていただいたところ、以前にSurgery 2013で報告した術中モニタリング値による術中介入を行わなかったときと比べて有意な術後総ビリルビン値の改善が認められた。 また、副次的研究として、SVV値のデータを解析したところ、肝離断中のSVV平均値が13%以上群と13%未満群で比較すると、有意に13%以上群で出血量が少ない結果であった。さらに、術中出血量と術後総ビリルビン最高値との間に正の相関関係が認められた。一般的には肝離断中に中心静脈圧(CVP)を1-3cmH2O未満に管理していただくことで肝静脈からのバックフローによる出血を抑制することができるが、このSVV値をみることでCVPよりもより正確な肝静脈圧のコントロールをすることができ、肝離断中の出血を抑制できる可能性が示唆された重要かつ興味深い結果であった。
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Research Products
(4 results)