2014 Fiscal Year Research-status Report
腎移植後再発性IgA腎症に対する扁桃腺摘出の有効性に関する研究
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26461922
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
吉村 了勇 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00191643)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
越野 勝博 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50727295)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 移植外科学 / 腎移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度では新規腎移植症例を含めて約80症例の移植腎生検を施行した。内、3症例でIgA腎症の再発を病理組織診断で確認した。確認した症例において両側口蓋扁桃摘出術を施行した症例は1症例であった。また、この両側口蓋扁桃摘出術を施行した症例では同時に慢性抗体関連性拒絶も指摘されていたため今回の研究対象に含むことはできず、更にこの症例では両側口蓋扁桃摘出術後に慢性抗体関連性拒絶の影響と考えられる急激な移植腎機能の悪化により透析再導入となったことからも病理組織診断においてIgA腎症再発の所見のみを有する患者を本研究の対象とすべきことをあらためて確認できた。 現在、移植腎IgA腎症の再発により両側口蓋扁桃摘出術を本人に説明し、施行を考慮している症例は4名である。随時、本人の両側口蓋扁桃摘出術の同意を取れ次第、併せて本研究に対する参加の同意をえた後、本研究の課題を進めていく予定としている。 また原疾患がIgA腎症により腎移植術を施行した症例は当院で23例を把握しており、引き続き外来でIgA腎症の移植腎における再発の兆候(尿鮮血や尿蛋白の増加)を確認するとともに再発兆候を認める際には移植腎生検を行い、病理組織診断を行う予定である。現在、IgA腎症の再発を疑いつつ腎生検を施行していない症例は3症例を把握している。 本研究には対象として含めていないものの腎移植前に原疾患のIgA腎症に対して扁桃摘出術を施行した後に腎移植術を施行した症例を現在、3例であり、その移植腎機能の推移をデータとして把握している。 平成26年度では第50回日本移植学会及び第48回日本臨床腎移植学会に参加することで他院における再発IgA腎症の報告を確認するとともにIgA腎症研究会に参加することで原発IgA腎症における知識のup dateを行うとともに現状の課題を学んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
移植腎生検は合併症を生じることなく予定通り施行することができたが移植腎において病理組織上で再発IgA腎症のみを認める症例は予想よりも少数であった。そのため更にその中で両側口蓋扁桃摘出術を施行した症例が1例もなく本研究における本年度の対象症例なかった。対象症例がない段階ではその先に予定している血液検査や尿検査は困難であった。 またパイロットスタディとして行った再発IgA腎症の発症後に両側口蓋扁桃摘出術を施行した症例における追跡調査(血液検査や尿検査)を行い、同症例について同意をえた後、本研究における計画2を実施していく。
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Strategy for Future Research Activity |
腎移植後IgA腎症再発の症例を増やすために関連病院に患者紹介の協力をえるとともに増え続ける慢性腎移植となる症例の また本院における対象症例の情報を再度確認するとともにIgA腎症の再発を疑った症例では積極的に移植腎生検を施行し病理組織診断においてIgA腎症の再発を確実行う。病理組織診断において移植腎にIgA腎症の再発のみを確認できた症例では本研究の対象者の意向を十分に考慮した上で両側口蓋扁桃摘出術を施行する。 症例数による問題のために前向き研究が困難な際には同時に後ろ向き研究を施行することでIgA腎症の再発に対する課題を行う準備をする(血液検査や尿検査における同意書等)。 またパイロットスタディとして行った再発IgA腎症の発症後に両側口蓋扁桃摘出術を施行した症例においてClinical transplantation; 2013: Suppl 26に報告した以降の経過をまとめるとともに学会や論文で報告していく。
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