2014 Fiscal Year Research-status Report
甲状腺濾胞性腫瘍の術前細胞診診断における53BP1核内フォーカスの有用性の検討
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26461951
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
矢野 洋 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (50380887)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永安 武 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (80284686)
大坪 竜太 長崎大学, 産学官連携戦略本部, 助教 (80570043)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 甲状腺濾胞癌 / 術前診断 / p53 binding protein 1 / 核内フォーカス |
Outline of Annual Research Achievements |
甲状腺濾胞癌の術前診断は従来の細胞診ではほぼ不可能であり、ゲノム不安定性に注目した術前診断の可能性を検証している。ゲノム不安定性には様々な指標があるが、平成26年度は①FFPE(組織標本)を用いた53BP1蛍光免疫染色の検討、②FFPE(組織標本)を用いたDNA抽出・aCGH(マイクロアレイ比較ゲノムハイブリダイゼーション)解析を計画し、以下にその成果を示す。 ①FFPEを用いた53BP1蛍光免疫染色~27例の濾胞腺腫(FA)、28例の微少浸潤型濾胞癌(MFC)、14例の広範浸潤型濾胞癌(WFC)の組織標本に対して53BP1の免疫染色を行った。核内フォーカスが2個以下を低DNA損傷応答型、核内フォーカス3個以上または短径1.0μm以上の大型フォーカスを高DNA損傷応答型と定義した。総フォーカス出現率はFA 20.7%、MFC 27.8%、WFC 36.4%であり、悪性度に比例して総フォーカス出現率も有意に高くなっていた。高DNA損傷応答型の出現率は、FA 4.3%、MFC 6.4%、WFC 9.9%と更に各群の差は有意に大きかった。 ②FFPEを用いたDNA抽出・aCGH解析~12例のFA、12例のMFC、9例のWFCの組織標本からDNAを抽出し、8例のFA、10例のMFC、9例のWFCに対してaCGHを行った。コピー数変化はFA 25.7Mb、MFC 32.2Mb、WFC 120.8Mbと平均では各群に有意差があるように思えたが、各群内の差が大きいため有意差は認められなかった。 以上より、甲状腺濾胞癌の術前診断においてはaCGHよりも53BP1蛍光免疫染色が有用である可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りに実験が終了し、その結果を論文に投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
術前診断への応用には、53BP1蛍光免疫染色を細胞診検体で行う事が重要である。FFPEとは異なる細胞診検体の蛍光免疫染色であるため、まずmethodoogyを確立する事を目標とする。
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Causes of Carryover |
物品費などが計画よりも安価に購入可能であったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度も物品費や発表にかかる経費に使用予定である。
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Research Products
(2 results)