2016 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of essential molecular mechanism by which cancer stroma cause the development of peritoneal carcinomatosis into scirrhous gastric cancer.
Project/Area Number |
26461972
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
安本 和生 金沢医科大学, 医学部, 教授 (90262592)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 聖二 金沢大学, がん進展制御研究所, 教授 (30294672)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | スキルス胃癌 / 癌間質細胞 / HGF高産生性 / SMA陽性活性化線維芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】 本研究では、難治性スキルス胃癌が癌性腹膜炎を高頻度に発症する機序解明を目指し、本病態形成の鍵を握る癌間質細胞に焦点を当て、今後の癌間質を標的とした治療のパラダイムシフトをも視野に新規の胃癌標的治療法の確立を目指す。 【方法】 癌の進展増悪ならびに予後に深く関与する癌間質のoriginとbiologyはいまだ不明である。難治性スキルス胃癌特異的癌間質形質特性を明らかにするために、スキルス胃癌(P群24例)と肝転移発症胃癌(H群20例)原発巣の癌間質ならびに対照として正常胃粘膜6例を以下の間質マーカーを用いて比較検討した(α-SMA、Galectin-1(α-SMA 陽性myofibroblast産生増強作用が報告)、Fibroblast activation protein(FAP)ならびにHGF)。FAPについては、ヒト胃癌細胞株ならびに初代培養ヒト正常線維芽細胞を用いてその産生制御および生物活性の有無を、さらに癌性および非癌性の臨床腹水サンプル中濃度も検討した。 【成績】 粘膜下組織以下の間質を評価し、10%以上陽性を陽性とした。α-SMA、Galectin-1、FAP、HGFの発現陽性率は、P群原発巣で、それぞれ79.2%(19/24)、29.1%(7/24)、87.5%(21/24)、87.5%(21/24)であったのに対して、H群では、100%(20/20)、75%(15/20)、95%(19/20)、0%(0/20)。FAPの生物活性として胃癌細胞に対する著明な遊走活性を認め、興味深いことに癌性腹水中には非癌性に比して約10倍高濃度のFAPが存在した。 【結論】 本スキルス胃癌病態特異的HGF産生性α-SMA+・FAP+活性化線維芽細胞産生機序の解明が革新的標的治療法開発につながるものと期待される。
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Research Products
(2 results)