2015 Fiscal Year Research-status Report
胃癌リンパ節内の免疫寛容とリンパ管内皮細胞との相関及び転移予測マーカーの同定
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26461990
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
田中 浩明 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (90382168)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
六車 一哉 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (10382045)
大平 雅一 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (90203926)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 胃癌 / リンパ節転移 / リンパ管内皮細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
【背景】近年、炎症と癌との関連が報告されており、癌微小環境における炎症細胞の浸潤が癌進展や予後に関与することが報告されている。しかし、所属リンパ節への好中球浸潤を検討した報告例は少ない。また、我々はこれまでに転移形成前の初期段階から所属リンパ節内ではリンパ管新生がみられることを報告してきた。 【目的】胃癌リンパ節内への好中球浸潤と臨床病理学的因子や予後との関連を検討するとともに、リンパ節内微小環境における好中球のリンパ管新生への関与を明らかにする。 【対象と方法】2011年に当科で切除した胃癌52例のリンパ節パラフィン包埋切片を免疫組織染色した。好中球は抗CD15抗体を用いて同定した。リンパ管は抗D2-40抗体を用いて染色しリンパ管新生をLVD(lymphatic vessel density)により定量化した。リンパ節転移の大きさは抗サイトケラチン抗体を用いて測定した。微小転移を認めたリンパ節で浸潤好中球数とLVDなど臨床病理学的因子との関連を検討した。予後とのの関連は2006年から2007年の当科での胃癌切除症例96例につき検討した。 【結果】検討したリンパ節数は1415個であった。全浸潤好中球数は平均49.6個で中央値は39であった。微小転移リンパ節内では転移のないリンパ節と比較し好中球数が増加していた。微小転移リンパ節内ではLVDが増加しており、リンパ節内LVDは好中球数と相関していた。症例別に比較するとdiffuse typeで好中球が増加していた。好中球数が39以上のhighグループでは39未満のlowグループと比較し有意に予後不良であった。 【結語】リンパ節内の浸潤好中球数はリンパ節微小転移及びリンパ管新生と相関を認め、予後とも相関していた。以上より、リンパ管新生の増生とともに好中球が浸潤し、転移を促進する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
リンパ管内皮細胞の分離、解析は順調に進ん出折、さらに今回は好中球とリンパ管新生との関連んについても検討した
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Strategy for Future Research Activity |
リンパ節転移におけるリンパ管内皮細胞の役割について明らかにする
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Causes of Carryover |
試薬購入予定のため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
試薬購入予定
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