2014 Fiscal Year Research-status Report
胃癌治療用個別化対応ウイルスの改良と効果予測モデルの確立
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26461992
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
中森 幹人 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (10322372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山上 裕機 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20191190)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 癌治療用ウイルス / ヘルペスウイルス / 胃癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究研究課題の目的のひとつである2種類の新しい癌治療用ヘルペスウイルスの新規開発が可能であった。 まず、T-BAC system (呼称)を用いた癌治療ヘルペスウイルスの作成システムを用いて、通常は2-3年を要する癌治療用ヘルペスウイルスの作成を2-3カ月という非常に短期間で作成することが可能となった。具体的には、SV01プラスミドのマルチクローニングサイトにSOCS-3遺伝子をクローニングし,SV-SOCS-3を作成した。その後,Cre/loxP. FRT/FLPe systemを用いて,T-SOCS-3 と呼称するヘルペスウイルスわ完成した。 さらに,SV-01カセットを改変し,hTERTプロモーター下流にRR遺伝子を組み込んだカセットを作成し、同様の過程を経てT-hTERT と呼称するウイルスを完成可能にした。 次に、T-SOCS-3 は、SOCS-3 がJAK kinase と結合することによりJAK/STAT 経路を阻害し、IL-6, IL-10, そして、INF-γ などのウイルス排除に向かうサイトカイン誘導を阻害することで、感染細胞内での自らの複製に有利な環境を作ることが報告されていることから、そのプロトタイプであるT-01 よりも複製能を有すると仮定し、その複製能の解析は、Vero 細胞を用いた複製能アッセイを用いた。また、申請者が保有するヒト胃癌細胞株10 種類に対して、in vitro におけるT-SOCS-3 の抗腫瘍効果をMTS アッセイにより確認した。 さらに、T-hTERT が胃癌のテロメラーゼ活性を利用してRR発現の発現を十分担保し、抗腫瘍効果を増強すると推察し、胃癌細胞株と胃癌切除標本のRR 活性とテロメラーゼ活性を測定したうえで、T-hTERT の抗腫瘍効果との相関について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度の研究目標は概ね達成していると考えている。 その理由として、本研究は臨床応用の際に想定される癌治療用ウイルスの問題点をいかに克服するかがその課題のひとつであり、それを評価するウイルス作成が最も重要だと考えるかである。 T-SOCS-3, T-hTERTの2種類の癌治療用ヘルペスウイルスを当該年度内に作成出来たことは評価出来ると考えます。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の今後の推進方策であるが、可能な限り、前臨床レベルにまで治療効果ならびに効果を抑制するメカニズムを解析することである。 次年度以降は、胃癌新鮮切除標本を用いた短期培養系系を用いて評価していく予定である。
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