2014 Fiscal Year Research-status Report
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26461996
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
福田 和正 慶應義塾大学, 医学部, 特任助教 (50348786)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 食道癌幹細胞 / miRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
食道扁平上皮癌細胞株(TE1, TE4, TE8, TE10, TE11, TE15)を用いて薬剤誘導法により癌幹細胞様クローンを誘導させた. 得られたTE8-TIC細胞及びTE11-TIC細胞についてmiRNAを抽出しcDNA合成を経て, TaqMan array systemによりmiRNAの網羅的解析を施行した. ExpressionSuite Software v1.0により解析を行った結果, 2つの細胞間でmiRNAの発現変動が共通しているものが67個あった. この変動miRNA群に基づきmiRBaseデータベースを使用しmirSVR scoreを用いて標的mRNA遺伝子の検索を施行した. また, パスウェイ解析ソフトReactomeを使用しターゲット遺伝子セットに関するpathwayの検索を施行した. その結果, extracellular matrix organization signaling pathwayが活性化して示唆された. 一方, これまでの研究により癌の転移において, 癌幹細胞の関与が示唆されている. 更に, 癌細胞より分泌された循環型miRNAが転移先の微笑環境の形成に関与しているとの報告がある. 本研究では, リンパ節転移を有する食道癌患者由来血清よりエキソソーム内包循環型miRNAを抽出し, 3D-GeneシステムによるmiRNAの網羅的発現変動解析を施行した. Chipに搭載されている2,000個のプローブとの反応より検出されたmiRNAについてコントロール群(非リンパ節転移)を対象とした発現変動解析を施行した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究における平成26年度の研究計画は, 食道癌幹細胞モデル及び食道癌臨床検体を用いたmiRNAの網羅的発現解析と標的遺伝いの検索である. 研究実績として報告している内容の通り概ね達成できている.
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年の研究計画である標的miRNAの機能解析を実施する上で, 候補miRNAの選別が必要である. そのため, 他の食道癌幹細胞モデルを用いた網羅的解析を実施する. また, 臨床検体についても症例を増やしデータを集積する. また, miRNAと標的遺伝子の統合解析の精度をより高めるため, 癌幹細胞の生理活性に関与している転写因子群のmRNA発現 解析を個別に行う. 得られた発現プロファイルとmiRNAの変動パターンとの照合により候補miRNAの同定を施行する. 選別されたmiRNAの機能を解析するため, miRNAの強制発現もしくは発現抑制させたトランスフェクタントを作製し, 増殖能, 生着能, 薬剤感受性などについて検証を施行する.
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Causes of Carryover |
本研究において平成26年度予定していたIPA(ingenuity Pathways Analysis)の費用は高額であり, 全サンプルについて実施することが出来ないため, 代替策としてパスウェイ解析ソフトReactomeを使用することとした. そのため次年度実施使用額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
使用計画として, miRNAの網羅的解析に必須であるTaqMan microRNA array cardの購入に使用する予定である.
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