2014 Fiscal Year Research-status Report
腹腔鏡下噴門側胃切除術後再建法別機能評価とQOLに関する研究
Project/Area Number |
26461997
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
野村 栄治 東海大学, 医学部, 教授 (30288732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 正志 東海大学, 医学部, 助教 (10548647) [Withdrawn]
向井 正哉 東海大学, 医学部, 准教授 (40229919)
中村 健司 東海大学, 医学部, 准教授 (90246116)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 胃上部早期胃癌標準術式 / 機能温存手術 |
Outline of Annual Research Achievements |
本臨床研究は、日本において増加しつつある胃上部早期胃癌に対する標準術式を確立することを目的としている。胃上部早期胃癌に対して腹腔鏡下噴門側胃切除術を行う施設が多くなってきたが、再建法については施設ごとに異なるのが現状である。そこで、Double tract(DT)法再建、空腸間置(JIP)法再建および食道残胃吻合(EG)法再建の代表的な3法を行って、術後1年目の時点でアンケートによる術後QOL評価および術後機能評価などを行うこととしている。この術後機能評価では、検査食(エンシュアリキッド200ml)摂取後の血糖値・インスリン・ガストリン・セロトニン・グレリン・インクレチン(GLP-1)の血中濃度測定を15分ごとに5回行うこととしている。特に、グレリンとGLP-1は、いずれも短時間のうちに失活するホルモンであるため、採血と同時に前者は1N塩酸を後者はDDP-Ⅳ阻害剤を添加して処理を行う必要がある。そこで、既に当施設で行ない術後1年を経過したDT法およびJIP法の症例に、本負荷試験を行って、測定法のコツおよびホルモン分泌動態を検討し、安定した測定が可能となるよう検討を加えてきた。さらに、当施設では経験の少ないEG法にも検討を加え、安全に施行できるよう手術操作に工夫を加えた。こうして、安全な手術と安定した機能評価が可能になったと判断し、平成27年2月からの噴門部早期胃癌症例に対しては、本格的にRCTとして臨床研究を進行させており、既に3例が登録されたところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
グレリンとGLP-1は不安定なホルモンであるため、その採血と処理に時間がかかるとデータの信憑性に問題を生じる可能性があり、これまでの腹腔鏡下噴門側胃切除症例に協力をいただき、迅速で正確な測定の検討を行った。さらに、当施設では経験の少ないEG法にも検討を加え、安全にかつ迅速に施行できるよう手術操作に工夫を加えたため、RCTとしての研究開始までに時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
手術術式の安全性および機能評価法の安定性がほぼ確認されたため、今後はさらに症例数を増やし、早急に各術式10例ずつを達成させる予定である。
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Causes of Carryover |
研究当初、グレリンとGLP-1血中濃度の測定値がELISA法ではばらついたため、外部委託検査にて測定を行って比較を行っている。このような研究の中核となる部分を安定させるため、慎重に検討を行った結果、次年度使用分が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現在もグレリンとGLP-1の測定はELISA法を行っており、外部委託検査の値と比較したところ、安定してきたが、今後、再度測定値がばらつく場合には、測定ポイントを絞って、助成金の範囲内で外部委託検査にて測定を行う予定である。
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