2014 Fiscal Year Research-status Report
蛍光免疫組織化学を用いた大腸pSM癌における簇出の生物学的評価及びその意義
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26462007
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
野上 仁 新潟大学, 医歯(薬)学総合研究科, 客員研究員 (10547566)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 能史 新潟大学, 医歯学系, 助教 (20706460)
若井 俊文 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50372470)
味岡 洋一 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80222610)
小林 隆 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (40464010)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 簇出 / CAM5.2モノクローナル抗体 / 免疫組織化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは、大腸粘膜下層浸潤癌(pSM癌)における簇出の増殖能に着目し、「大腸pSM癌の簇出において増殖期に入っている癌細胞の割合が高い病変は、領域リンパ節に転移を起こす確率が高く、大腸pSM癌内視鏡的摘除後のリンパ節転移予測因子となる」という仮説をたて、本研究を企画した。研究の目的は、「大腸pSM癌の簇出を蛍光免疫組織化学で検出し、その増殖能の多寡によりリンパ節転移のある群とそれが極めて低い群とに分類すること」である。 平成26年度の研究実施計画として、(1)リンパ節郭清を伴う根治切除術が施行された大腸pSM癌310例を対象として、対象症例の原発巣パラフィン包埋ブロックから連続切片を作製し、HE染色とCAM5.2モノクローナル抗体を用いた免疫組織化学を行った。(2)CAM5.2モノクローナル抗体による免疫組織化学により、簇出を形成する癌細胞を検出することができることを確認した。また、形質細胞など癌細胞以外のCAM5.2陽性細胞は、その染色態度から鑑別可能であることを確認した。平成27年度以降は、(3)CAM5.2モノクローナル抗体による免疫組織化学で簇出が検出された病変について、CAM5.2 + Ki67およびCAM5.2 + TUNELの組み合わせでそれぞれ2重蛍光免疫組織化学を行い、簇出の生物学的特徴について明らかにする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
pSM癌310例を対象としたHE染色とCAM5.2免疫組織化学、および簇出の評価は終了した。HE染色とCAM5.2免疫組織化学で検出される簇出の平均個数、リンパ節転移検出のためのcut-off値、リンパ節転移予測正確度を明らかとした。これらの結果は、途中経過報告として学会発表し和文論文化を行った。現在、英文論文化に向けて準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
簇出検出におけるCAM5.2免疫組織化学の意義についての解析が進み、World Congressof Surgery(Aug. 2015, Bangkok)での発表を予定している。研究費は免疫組織化学染色に用いる抗体、学会発表にかかる旅費、英文論文に関わる費用などに使用する予定としている。現在、英文論文化に向けて鋭意準備中である。今後は、2重蛍光免疫組織化学により簇出の増殖能とアポトーシスの評価を行い、簇出の生物学的特徴を解析する。
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Causes of Carryover |
今年度の研究計画にあった2重蛍光免疫組織化学の施行が遅れており、使用する予定であった抗サイトケラチン抗体の購入を行わなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に抗サイトケラチン抗体の購入を予定している。
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