2015 Fiscal Year Research-status Report
大腸癌肝転移における脂肪酸代謝の役割と新たな肝転移制御戦略の確立
Project/Area Number |
26462008
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
山本 真義 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (70397420)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今野 弘之 浜松医科大学, 医学部, 教授 (00138033)
菊池 寛利 浜松医科大学, 医学部, 助教 (70397389)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 大腸癌肝転移 / 脂肪酸代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の分子標的治療薬の発展に伴い大腸癌肝転移症例の治療成績は飛躍的に向上した.しかし現行の増殖シグナル阻害を中心とした治療法では,代替経路の活性化による悪性形質獲得などの 問題点が次々と明らかになってきており,新たな知見に基づいた治療戦略の構築が求められている.近年癌細胞における脂肪酸代謝の重要性が明らかとなり,Seed and Soil 説に基づく転移との関連も示唆されている.本研究では大腸癌肝転移における脂肪酸酸化の役割を肝転移マウスモデルおよび臨床検体を用いて明らかにし,エネルギー代謝を標的とした新たな肝転移制御戦略の構築へのbreakthroughとすることを目的とし,現在研究を行っている. 平成27年度は,化学療法歴のない大腸癌肝転移20例の原発巣,肝転移巣切除検体,およびコントロールとして5年以上無再発進行大腸癌症例の原発巣50例のFFPE sampleから腫瘍組織を採取.k-ras遺伝子変異を解析し,k-ras変異と脂質代謝との関連を解析中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ヒト大腸癌同所移植肝転移マウスモデルにおける脂質代謝プロファイリングに関して,解析に必要な肝転移巣の採取が困難であり,解析が遅れている.また,臨床検体からのDNA抽出に関しては,検体の保存状況によりDNA抽出困難な症例があり,当初の計画より進行が遅れている状況である.
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Strategy for Future Research Activity |
動物実験に関しては,肝転移巣の腫瘍量確保が問題となっているため,大腸癌高肝転移株であるKM12SMなどを用いて,より大きな肝転移巣を確保することを試みている.また,FFPEサンプルからのDNA抽出に関しては,10年以上経過した症例においては抽出困難な症例があるが,これはホルマリンなどのPCR阻害物質の混入が原因として考えられており,従来のカラムやビーズ結合法から抽出方法を変更し,再施行する予定である.
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