2015 Fiscal Year Research-status Report
転移性進行大腸癌に対するMDSCを標的とした新規治療戦略の開発
Project/Area Number |
26462015
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山本 将士 神戸大学, 医学部附属病院, 特命助教 (20645212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 公大 神戸大学, 医学部附属病院, 特命助教 (80535427)
角 泰雄 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 特命准教授 (00529521)
掛地 吉弘 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80284488)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 大腸癌 / MDSC / 負の制御 / 原発巣切除 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、進行大腸癌の転移性肺癌に対し骨随由来免疫抑制性細胞(myeloid derived suppressor cell; MDSC)を標的とした新規治療戦略を確立することを目的としている。切除不能遠隔転移を伴う大腸癌では、化学療法など全身療法を行っても、効果が不十分であることが多い。これは、原発巣-転移巣の抗腫瘍免疫反応に対し抑制的に働く関係性が成立することが一因であるとされる。これを担う主な細胞群がMDSCであり、腫瘍の進展と共に生体内に出現し、腫瘍の進展・転移に深く関与するため、腫瘍の原発巣-MDSC-転移巣の関係の障害に5-FU系抗癌剤の投与及び原発巣切除の有効性の検討、外科的切除を有効しうる治療の検討、及び免疫チェックポイント分子標的治療の有効性の検証を行うものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
化学療法・原発巣外科的切除の意義と評価として、現在、B16-F10メラノーマ細胞株を皮下投与し一定期間後、経静脈的投与による肺転移を引き起こす、原発巣-転移巣を作成することができた。MDSCは特に肺での蓄積が顕著であるが、これまでの報告通り、脾臓で蓄積が確認された。また、MDSCを標的とした治療法の検討を行い、5-FU系抗癌剤の早期投与でも、各臓器のMDSCが減少し、これが肺転移の進展を抑制し、生存期間の延長を導くモデルの作成に成功した。皮下投与された腫瘍組織を切除した場合、より早期に切除した場合にMDSCの抑制が有効となり、これに肺転移の抑制・生存期間に寄与することを示すことができ、報告することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
さらに、特異的抗原を中心とした獲得免疫に対する影響をより具体的に検討する。また、末梢血による病態の反映についても検討して行く。MDSCを標的とした原発巣外科的切除と抗CTLA-4抗体及び抗PD-1関連抗体を用いた免疫学的チェックポイントの修飾、持続的な臨床効果を示す治療薬として認められた。MDSCは、CTLA-4を誘導し、制御性T細胞の誘導に関与する報告が有り、複合的な治療を行い、より高い抗腫瘍効果を示すことができると推測される。現在、 B16-F10の再発モデルの作成に成功したので、MDSCが再発予測と治療効果予測になるかを検討している。
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Causes of Carryover |
購入予定のマウス数が当初より減少したため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度のマウス購入分にあてる
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Research Products
(5 results)