2014 Fiscal Year Research-status Report
c-MYC, HIF-1による大腸癌の抗癌剤抵抗性獲得機構の解明
Project/Area Number |
26462017
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
榎 忠彦 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80311819)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 一斉 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (40711271)
西本 新 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (90396325)
原田 栄二郎 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (90467803)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | c-MYC / HIF-1α / 大腸癌 / 細胞生存 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、大腸癌の細胞生存力におけるHIF-1αの役割を検討した。ヒト大腸癌細胞株COLO-320から核蛋白質を抽出し、ゲルシフトアッセイによりHIF-1αの標的DNAに対する結合を確認し、さらにRT-PCRにより、HIF-1αの標的遺伝子(OCT4, VEGF) の発現を確認した。また癌細胞の細胞生存力の亢進につながる微小環境として、低酸素や低栄養環境が知られており、低グルコース環境下におけるHIF-1αの活性(標的DNAに対する結合能や標的遺伝子の発現量)の変化を調べたところ、HIF-1αの活性の増加が認められた。さらにCOLO-320にHIF-1αに対するsiRNAを導入し、HIF-1αノックダウンによるアポトーシス誘導率の変化を検討したところ、通常濃度のグルコース存在環境、低グルコース環境のいずれの場合でもアポトーシスの指標である切断型PARP-1の増加が認められた。本研究成果により、HIF-1αが大腸癌の細胞生存力の亢進に貢献していることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大腸癌細胞の細胞生存力の亢進におけるHIF-1αの役割が明らかとなり、本研究成果は、次年度に行う予定である通常濃度のグルコース存在環境下及び低グルコース環境下における大腸癌の細胞生存力に対するc-MYCとHIF-1αの阻害効果を検討する上で参考とすることができるため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、c-MYC阻害剤である10058-F4, HIF-1α阻害剤であるchrysinを用いて、大腸癌の細胞生存力に対するc-MYCとHIF-1αの阻害効果を通常濃度のグルコース存在環境下及び低グルコース環境下において検討する予定である。
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Causes of Carryover |
当初の使用計画よりも低予算で実験を進めることができたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、通常濃度のグルコース存在環境下及び低グルコース環境下における大腸癌の細胞生存力に対するc-MYCとHIF-1αの阻害効果を検討する予定であり、その研究費用に使用する。
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Research Products
(2 results)