2014 Fiscal Year Research-status Report
新規癌抑制遺伝子候補SVS-1の癌抑制のメカニズムの解明と治療への応用
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26462022
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
隈元 謙介 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (60457778)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 大腸癌 / SVS-1 / 癌抑制遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、大腸癌におけるSVS-1 遺伝子発現変化について解析し、SVS-1遺伝子発現の臨床病理学的意義や生物学的意義について検討することを目的にしている。具体的には、SVS-1遺伝子はマウスやヒトで腎臓、肺、大腸、膵、脾、子宮など多くの組織に発現しているが、癌細胞においてその発現量と癌の進行度・予後との関連性はどのような関係があるのかを大腸癌の手術検体を用いてRT-PCRでSVS-1mRNAの発現量および免疫組織染色(IHC)によりタンパク量を測定しその臨床病理学的背景・予後との関係を検討する。これによってSVS-1 遺伝子の大腸癌発生・進行における癌抑制遺伝子としてのSVS-1の役割を推定する。今年度は、大腸癌組織からRNAを抽出しリアルタイムRT-PCRでSVS-1のmRNAを測定する準備を行った。抽出が完了した55例の大腸癌症例の癌組織と正常粘膜組織のSVS-1mRNAの発現量を調べた結果、55例中29例で癌組織におけるSVS-1のmRNA発現が、正常粘膜組織に比べて半分以下に低下していた。全体で、癌組織におけるSVS-1のmRNA発現が、正常粘膜組織に比べて有意に低下していた(P=0.008)。また、SVS-1抗体を用いて、大腸癌組織のIHCを施行するために染色の条件設定を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の進捗状況は、予定通り進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、さらに症例数を増やしながら、SVS-1遺伝子発現と臨床病理学的因子や予後との関連を検討し、関連性のある因子があれば、大腸癌培養細胞株を用いてSVS-1遺伝子発現の生物学的意義について検討する予定である。
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Causes of Carryover |
今年度は、初年度であり、解析症例数がまだ少ないため物品購入費が予定より15万円ほど少なくなっている。また、解析中であるので、学会発表はできず学会へ参加の際の旅費としての支出がなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
解析対象となる症例数が増加するとともに結果の発表を学会等で行う予定である。
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