2014 Fiscal Year Research-status Report
新規MDCT撮像法、MRIによる、膵手術後膵液瘻発生高リスク群予測に関する研究
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26462057
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
北川 裕久 金沢大学, 附属病院, 講師 (80272970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 大 金沢大学, 大学病院, 助教 (00645129)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 膵液瘻発生の予測 / 術前画像検査 / MDCTとMRI / 膵の線維化と脂肪変性 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在のところ、データを蓄積している段階ではあるが、以下のような傾向を確認している。1.膵外分泌機能の変化は、組織学的な膵の線維化、脂肪変性などの組織学的障害と良く相関する。 2.組織学的解析において、膵液瘻の危険因子の検討で、外分泌機能が障害された膵か否かを主膵管径のカットオフ値3mm で分ける手法がよく用いられるが、主膵管径3mm 以下の症例にも外分泌障害膵が多く含まれている可能性が高い。 3.これらの膵の組織学的障害の程度は、Multi Detector-row Computed Tomography(MDCT)、Magnetic Resonance Imaging(MRI)の所見と相関しており、画像所見を数値化して術前に膵液瘻発生のリスクを予見できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
画像解析では、昨年度から今年度にかけての膵手術症例全29例において、MDCTで線維化の程度を評価すべくデータを蓄積した。すなわち、膵切離部位にRegion of interest(関心領域;ROI)を設定し、単純CT を撮像後、ヨード造影剤(350mgI/ml; 1.8ml/kg)を30 秒固定で急速静注し、25 秒後, 40秒後, 70 秒後, 180 秒後, 新たに超遅延相として300 秒後に撮像を行って、CT 値の経時的変化のデータを集積している。また、これらの症例には全例MRI 脂肪抑制T1 強調像(FST1WI)画像をDynamic study前に撮像し、その信号強度を集積している。 組織学的解析では、順次膵手術症例において、膵切離手技に影響されない、切離面より3mm 離れた部位の組織において単位面積あたりの腺房細胞部、線維化部、脂肪変性部の占める割合を求めるべく、HE 染色、EVG 染色を施している。 呼気膵外分泌機能検査は、Benzoyl-L-Tyrosyl-[1-13C]Alanine(以下、13C-BTA)が現在製造されておらず、新たに作成した場合コスト面で莫大な費用がかかるため、代わりに広島大学などで臨床研究が行われ安全性も証明されてきたクロレラ産生13C標識混合中性脂肪カプセルを用い、臨床試験として症例を重ねている。 膵液漏出の診断は膵手術症例全29例で行っており、膵切離、あるいは膵消化管吻合部近傍に留置したドレーン排液のアミラーゼ濃度、排液量、総アミラーゼ排出量(アミラーゼ濃度と廃液量との積)を、術後1,3,5,7 日目に測定してデータを蓄積している。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度まで行ってきたデータをさらに症例数を蓄積していく。 画像解析については、得られたCT値の変化よりTime density curve (TDC)を作成、TDC における形状、造影剤検出時間、傾き、最大CT 値到達時間、最大CT 値、持続時間、平衡相CT 値などを抽出していく。それに合わせて、MRIのデータも蓄積していく計画である。 組織学的解析では、HE 染色、EVG 染色を施したプレパラートで、単位面積あたりの腺房細胞部、線維化部、脂肪変性部の占める割合を、画像解析ソフト(lmage Pro PLUS)を使用して、40 倍顕微鏡下で10 視野計測し平均値を100 分率で求める計画である。また、過去の膵手術症例においても同様の検討を行い、術中測定した膵管径、術前MDCTで測定した膵管径、膵液瘻発生の有無との関係を明らかにする計画である。 呼気試験のデータの蓄積はやや遅れ気味であるが、症例を集積していく計画である。
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Causes of Carryover |
物品納入価格が低く抑えることができたため、7,300円の次年度使用額が出た。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
消耗品(プレパラート、カバーグラスなど)購入費に充てる計画である。
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