2014 Fiscal Year Research-status Report
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26462080
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
皆川 正仁 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50374830)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 人工弁 / カテーテル |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度の実施計画では,ブタ摘出心におけるステント付人工弁の評価を計画した.これは,【カテーテル植込み式ステント付き人工弁の製作】:Z-ステントを基本骨格としたフレームに僧帽弁輪からのズレを防止するためのフックを取り付けたフレームを取り付けたものに,人工血管とブタ肺動脈弁を縫着してステント付き人工弁を作成する,【ブタ摘出心を使用した植込み試験】:上記人工弁の装着試験を行い,ブタ拍動心に対する植込みに使用可能かどうかを評価する,の2項目からなる. これを達成すべく,ステント骨格を作成するためには,形状記憶針金(ニッケルチタン合金)を使用することが有用と判断した.日本で入手できる形状未記憶合金(直径0.3~0.4mmのニッケルチタン針金)で,動物の体温から常温下で形状を保持できる材質の針金の入手先を検索することに時間を要したが,3月の時点で国内の販売先を見つけ,現在材料を注文中である.人工血管,Zステント,ブタ摘出心,人工弁製作のための縫合用の針糸は準備が整っている.形状未記憶針金を形状記憶をさせるためには400℃から500℃の加熱を要するが,本学理工学部の加熱炉を使用する計画とした. また,カテーテル植込み式の人工弁は近年さまざまなプロトタイプが報告されており,これらと差別化をはかり,オリジナル性の高いものを作成する目的に,国内外の学会や論文での情報収集を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ステント骨格部分の製作のためには,カテーテルから心臓の中にリリースした際に,自己拡張して形状を保持させる材質がもとめられるため,形状記憶合金の針金を使用する必要がある.加えて,希望の形状に加工した後に形状記憶させる必要があるために,形状未記憶の針金で,かつ,動物の体温や常温下で形状保持の性質を有する材質である必要があった.しかしながら,工業用を含め日本国内で入手できるこれらの条件に見合う針金の検索に難渋したため,材料の確保に時間を要した.
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Strategy for Future Research Activity |
形状未記憶合金の針金(直径0.3mmから0.4mm,常温で形状保持)を注文中であり,入手後はステント骨格を早急に作成してステント付き人工弁の製作と摘出心に対する植込み試験を行なう.試作を積み重ね,最適な形状のステント骨格を作成した後,平成27年度の計画としての,ブタ拍動心における人工弁の装着性および機能性の検討をおこなう.
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Causes of Carryover |
平成26年度は,ステント付人工血管の試作に費用を計上する計画であったが,本研究の最重要要素であるカテーテル植込式に適したステント骨格を造るための材料の入手に関して,予定外に時間を要したため購入することが出来ず繰越金が生じた.ステント以外の材料は入手済みである.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ステントを造形するための形状記憶針金の入手の目途が立ったため,今年度の上半期はカテーテル植込式人工弁の根幹を成すステントの試作に繰越金並びに今年度の費用の一部を使用する計画である.さらには,下半期にはブタを使用して急性期実験を行う予定である.
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