2014 Fiscal Year Research-status Report
細胞シートによる再生医療の汎用性向上を目指した細胞シート凍結方法の開発
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26462089
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉川 泰司 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄付講座准教授 (40570594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今西 悠基子 大阪大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (10707582)
福嶌 五月 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80596867)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 再生医療 / 細胞シート / 凍結 / 細胞保存 |
Outline of Annual Research Achievements |
iPS細胞由来心筋細胞シートを臨床応用する上で分化誘導細胞の凍結保存方法の開発が必要となる。本研究の目的はiPS細胞由来の心筋細胞の機能を維持したまま、凍結保存する方法を検討した。 ヒトiPS細胞から分化誘導した心筋細胞を含む胚様体から解離した細胞を10%DMSO及び凍害保護剤を含む凍結保存液中で緩慢凍結した。解凍した細胞を10%血清含有培地に懸濁し、シート培養を行い、生存率、心筋細胞マーカー発現率、MEDシステムでの同期拍動性の評価を行った。 その結果、回収率は平均52%、生存率は平均95%、FACS解析によるトロポニン陽性率は凍結前とほぼ同じ結果を再現でき、MEDシステムでは同期拍動する心筋細胞シートを作成できた。この結果は、臨床応用するうえで、長期の保存や輸送が可能となり製造管理上有用である。 一方、シート化した細胞は、ガラス化凍結を行い、2日後に融解して組織染色を行ったところ、80%のviabilityが保持され、細胞間接着タンパク及び細胞のサイトカイン産生能が維持されていること、アポトーシスは起こらないことが示された。また、誘拐後のシートが再接着し、活動電位も発生することが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒト骨格筋由来筋芽細胞は凍結後に組織が保持されたことを確認できた。また、ヒトiPS細胞については、シート状態でなく、胚様体由来細胞での凍結であるが、解凍後の細胞機能が良好であり、今後臨床でも使用できる可能性がある。 一方、シートのガラス化凍結においても、viableな状態で再拍動が見られた。
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Strategy for Future Research Activity |
iPS細胞の胚様体由来細胞の凍結については、解凍後の細胞シートの組織的機能的検証をさらに進める。細胞シートのガラス化凍結居ついても、さらに安定した回収を目指す。またどちらもより長期の保存や、輸送方法について検討する。
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Research Products
(2 results)