2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26462100
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西山 綾子 東京大学, 医学部附属病院, 登録研究員 (90705526)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 博之 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (10241994)
重松 邦広 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20215966) [Withdrawn]
三浦 裕 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40557980)
宮田 哲郎 東京大学, 医学部附属病院, 登録研究員 (70190791) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 重症虚血肢 / 側副血管 / ナノメディシン / ドラッグデリバリーシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、これまで治療経過の評価が困難であった、重症虚血肢に対して発達途中の側副血管を可視化し、また、全身投与による低毒性、かつ高効率で側副血管を発達させる治療法を開発することを目的に始動した。具体的にはナノテクノロジーを基盤としたドラッグデリバリーシステム(DDS)を用いて、①虚血下肢に対し選択的ナノメディシンを集積させる。②疾患部位を検出・追跡可能とする、現在の状況ではまず、一般的によく使用されモデルの確立しているマウスの重症虚血肢モデルでの予備実験で尾骨静脈からの静脈注射でナノミセルが虚血肢に早期から集積し、対側健常肢や、PBS投与群、シャムオペ群と比較しても長期に蛍光度分布として強く集積し得ることが分かった。 この実験をさらに進め、側副血管の発達を促進するような薬剤を内包するナノメディシンを作成することが出来れば、静脈注射により虚血部局所に血管新生促進剤が集積し、かつ動注ではないため血管塞栓のリスクは少なく行うことが可能となる。また、ナノミセルでレントゲン不透過物質を内包できれば血管新生の行われている部位を可視化することも可能である。 現在IL-1βの内包ミセルの生成に成功しており、現在Charege-convergionしたIL-1β内包ナノメディシンが側副血管を発達させることの確認中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ナノメディシンの内包として当初考慮したb-FGFがCharge-conversion困難であり、不安定で失活も早いため、内包する血管新生物質をIL-1βに変更した。そのための時間が多少予定より延長した。また、動物モデルに関して、より血管新生をアンギオスコア等で数値化できるラットモデルにすることを考えたが、ラットではマウスより一ケタ多い量の投薬が必要であり、限りあるナノメディシンをより有効に使用するために再度マウスに戻して、研究継続中であり、この変更にも予定より時間がかかる原因となったが、ネガティブな結果が出たわけではなく、粛々と実施していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
マウスにおけるcharge-conversionしたIL-1βによる側副血管新生が有効に起こるというデータをIn-vivoで現在施行中であり、これが成功すればナノメディシンを静脈投与して側副血管が発達する局所に集積するか、また集積したナノメディシンが側副血管を発達させ、重症虚血肢の改善に至るかを検討する予定である。
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Causes of Carryover |
IL-1b内包ミセルの試作に成功したものの、内包させているcharge conversion後のIL-1bの生理活性を測定するin vitroの系において遅滞が生じている。そのため、IL-1bミセルの量産・動物実験にとりかかれておらず、余剰金が発生している。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度施行予定であった、上記charge conversion後IL-1bの生理活性測定・positive controlとしての筋注実験・ミセル化IL-1bの静注実験を進めていく。特に相当量のIL-1b・免疫組織学的検討に使用する各種抗体など高額な物品が今後必要になってくるため、その費用が発生する見込みである。
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