2014 Fiscal Year Research-status Report
胸部動脈瘤ステントグラフト術後の遅延性対麻痺予測法と治療法の開発
Project/Area Number |
26462108
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
高崎 泰一 広島大学, 大学病院, その他 (10383564)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末田 泰二郎 広島大学, その他の研究科, 教授 (10162835)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 胸部大動脈瘤 / ステントグラフト / 対麻痺 / 脊髄前根動脈 / 脊髄虚血マーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
胸部下行大動脈瘤に対するステントグラフト治療が急増している。脊髄腰膨大部を栄養する前脊髄動脈に分岐する脊髄前根動脈(Adamkiewitz動脈、以下AKA)をステントグラフトで閉塞した症例の対麻痺発生率は開胸下行大動脈人工血管置換術より低いとされるが、2~5%の症例で対麻痺または不全対麻痺がおこる。AKAを閉塞して対麻痺がおこるか否かは明らかではない。本研究では、手術ないしはステントグラフト治療でAKAを閉塞した胸部大動脈瘤症例の術前後で運動誘発電位(MEP)を測定して、脊髄虚血マーカーのS100蛋白の推移と術後脊髄CT撮影でAKAへの側副血行路を描出して、遅延性対麻痺発生を予測して予防策を講じて術後対麻痺をゼロにすることを目的にする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1)白兎を使ったAKA結紮対麻痺モデル作成と側副血行路形成機序の解明:兎のAKAは腰動脈L2~3から分岐していることが多い。兎のAKA特定のために脊髄運動誘発電位モニター下に左右腰動脈をL1~5を別個にクリップで閉塞して対麻痺がどの腰動脈のクリップ結紮でもっとも起こるかを検証した。腰動脈をL1からL5まですべて結紮すると対麻痺が起こった。しかし、L3またはL4レベルまでの結紮では不全対麻痺しか起こらずL3~5にかけてAKAが分布していると推測された。 2)胸部下行、胸腹部大動脈手術時の脊髄側副路の解明と対麻痺予防法の開発:64列CTにて全症例のAKA描出が可能となった。当科で開発した脊髄運動誘発電位測定と冷却血液大動脈瘤内注入を組み合わせて術中にAKAを診断したところ画像上のAKAは80%以上は機能上はAKAでなく結紮可能であった。これにより術中に再建するAKAが平均0.8本となり手術操作が簡便になり対麻痺も減少した。
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Strategy for Future Research Activity |
1)白兎実験によるAKA結紮対麻痺モデル作成と側副血行路形成機序の解明:平成26年度に特定した白兎のAKAをクリップして対麻痺、不全対麻痺、麻痺無しが起こる機序を運動生理学的、病理学的に検討する。またAKAを徐々にクリップした場合に側副血行路が新たに形成されるとの仮説を立てて、AKAの中程度クリップを2日間行い、その後完全にクリップ閉塞させるモデルを本年は確立して側副血行路が形成される機序を解明する。側副血行路の形成により対麻痺が徐々に回復するかも検討して遅延性対麻痺とその回復について検討する。 2)胸部下行、胸腹部大動脈手術時遅延性対麻痺発症機序解明と予測法の開発:遅延性対麻痺の予測法はまだないが、術中の脊髄虚血が関与しているのは間違いない。術後24時間目に64列CTで前脊髄動脈周辺に流入する動脈をまず特定し側副血行路の起源を探る。また血清S100蛋白を継時的に測定して遅延性対麻痺を予測する。
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Research Products
(6 results)