2014 Fiscal Year Research-status Report
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26462109
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
村上 雅憲 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (30448295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱野 公一 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60263787)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 虚血性下肢潰瘍治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
虚血性潰瘍モデルマウスを作製する実験を行った。外科的手法によりC57BL/6の左下肢の大腿動静脈を結紮後、下腿に4mmの皮膚欠損創を作製し、創の乾燥を防ぐためにハイドロコロイド・ドレッシング材を貼付すると、創は約7日~10日間で治癒した。次に創の治癒を遅延させるために、C57BL/6にストレプトゾシンを投与して高血糖となった糖尿病マウスの左下肢の大腿動静脈を結紮後、下腿に4mmの皮膚欠損創を作製し、創にはハイドロコロイド・ドレッシング材を貼付したところ、創の治癒には14日以上を要した。 臨床で最も使用される皮膚潰瘍治療薬であるフィブラストスプレーの虚血性潰瘍モデルマウスに対する効果を検討した。糖尿病虚血性潰瘍モデルマウスの下腿に4mmの皮膚欠損創を作製し、創にフィブラストスプレーを毎日噴霧する治療群(N = 5)と無治療群(N = 5)で比較を行った。治療開始10日では、無治療群の創傷面積治癒率の平均は約69%であったが、フィブラストスプレーを毎日噴霧した治療群の創傷面積治癒率の平均は約81%で有意差があった(p < 0.05)。フィブラストスプレー治療群では、治癒期間において肉芽が観察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初想定していた虚血性潰瘍モデルマウスでは、創の治癒が早いために実験モデルとして適さないと考え、ストレプトゾトシンで糖尿病を誘発させた虚血性潰瘍モデルマウスで創の治癒を観察することにしたところ、フィブラストスプレー治療群と無治療群では創傷面積治癒率において有意差があったことから、実験モデルとしては、糖尿病を誘発させた虚血性潰瘍モデルマウスが適していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
糖尿病虚血性潰瘍モデルマウスの皮膚潰瘍に移植する骨髄細胞から細胞シートを作製するのに必要な細胞数と培養日数を検討する。骨髄細胞シートがどのような成長因子を分泌しているかを解析するために、培養上清を用いてアレイ等を用いて実験する計画である。
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Causes of Carryover |
未使用額は1,083円であったが、1年間の使用額は当初の計画通りであったと考えている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
未使用額1,083円は、消耗品等に使用する予定である。
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