2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of vascular regenerative therapy using new tissue engineering
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26462113
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
伊藤 学 佐賀大学, 医学部, 助教 (50555084)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 功一 佐賀大学, 医学部, 寄附講座教授 (50420609)
森田 茂樹 佐賀大学, 医学部, 客員研究員 (70243938)
野口 亮 佐賀大学, 医学部, 助教 (70530187) [Withdrawn]
迎 洋輔 佐賀大学, 医学部, 医員 (90746570)
野出 孝一 佐賀大学, 医学部, 教授 (80359950)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 心臓血管外科 / 組織工学 / 小口径人工血管 / 血管再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
外来異物を用いて作成した血管は、生体適合性、抗血栓性、抗感染性の面で、自己血管より劣るのは周知であり、未だ臨床に応用できる口径3mm以下の人工血管は存在しない。我々は細胞が本来もつ自己凝集能力によって形成される細胞凝集塊(スフェロイド)を立体的に構築する組織工学技術を開発した。本技術によって外在性のscaffoldを一切含まない細胞のみによる機能的な立体構造体を作ることが可能となった。本研究の基盤となるスフェロイドには、複数種の細胞を混合して作れるという特徴がありヒト由来の血管内皮細胞、血管平滑筋細胞、繊維芽細胞などを用いて管状構造体を作製し、ヌードラット腹部大動脈(口径1~1.5mm)ウサギ頸動脈(口径2mm)、ミニブタ大腿動脈(口径3~4mm)への短期移植に成功した。また構造体同士を連結し、長軸方向へ延長した構造体の作製にも成功した。その後、構造体を潅流するバイオリアクター内の培養液の適正化、培養期間の延長などにより繊維芽細胞を主体とした構造体において1000mmHg以上(ヒト正常血圧の7~8倍程度)の力学的強度(圧破砕強度)を確認した。口径3mm以下の新たな小口径の人工血管は冠動脈バイパス、重症下肢虚血症例の足関節以下の遠位バイパス、透析用代用血管に応用でき用途は多岐にわたると考えられる。本研究のように外来異物を全く含まず、細胞のみで3次元的な機能する組織を作る技術を利用する治療モデルの報告は少なく、自己組織での臓器再生・移植モデルが確立されれば、免疫応答、感染の危険性が無い次世代の治療モデルの確立につながると考えている。
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Research Products
(6 results)