2015 Fiscal Year Research-status Report
大動脈瘤発生機序に関する遺伝子解析を中心とした統合的解析と治療適応の確立
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26462114
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
益田 宗孝 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10190365)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井元 清隆 横浜市立大学, 市民総合医療センター, 教授 (40203335) [Withdrawn]
内田 敬二 横浜市立大学, 市民総合医療センター, 准教授 (50275062)
鈴木 伸一 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (90285130)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 大血管外科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、致死率の高い解離性大動脈瘤および真性大動脈瘤について現在明らかになっていない責任遺伝子群の異常を解析し、遺伝子型と臨床症状(瘤化、解離や瘤破裂)の相関を明らかにするとともに、遺伝子異常に関連する発現蛋白を明らかにすることで動脈瘤発生の機序を解明し、これにより治療戦略を確立して、保存的治療・ステント治療・外科治療各々の適応を確立すると共に、予防的手術の意義を決定することである。遺伝子解析によりリスクを評価し、腫瘍で認められているような動脈瘤マーカー検索法を確立し、予防や早期診断・早期治療を可能とすると同時に、動脈瘤発生に特異的な発現蛋白を抑制する系を確立し、予防や治療の選択肢を広げることを究極の目的としている。 横浜市立大学附属病院及び横浜市立大学附属市民総合医療センター病院で手術を施行された大動脈瘤症例の内、書面で同意が得られた症例の血液及び動脈瘤壁を検体として採取する。血液検体に関しては、我々が開発した、大動脈瘤症例において関連性が示唆される遺伝性疾患の責任遺伝子を網羅したリシーケンスアレーを用いて責任関連遺伝子を迅速かつ効率的にスクリーニングし、遺伝子機能や家系解析等からその病的意義を明らかにする。さらに病的な遺伝子異常・多型に基づいて臨床症状の評価を行い、リスク遺伝子異常・多型の臨床症状評価システムを確立する。また、大動脈瘤壁及び近傍の正常大動脈壁におけるEP4シグナル異常と瘤形成過程との関連を明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
基礎的研究としては特異的な血管壁構造を持つ動脈管と大動脈壁との比較検討を行い、その動態についての検討を行った。まず、プロスタグランディンの一受容体の発現に関して動脈管組織においてはプロスタグランディンE2投与により、EP4のsignalingを介して動脈管組織のelastogenesisが抑制されることを証明した(Circulation 2014: 129; 487-496)証明した。また、動脈管の収縮に関しては血清浸透圧の変化が関与していることも証明した(cardiovascular Research 2014: 104; 326-336)。 動脈瘤発生に関するバイオマーカーの同定と、その阻害剤に関する研究において成果を挙げているが、現在特許申請中であり、ここに明らかにすることができない。 また、臨床的な検討としては致死率の高いA型大動脈解離について、入院症例では、60才未満では男性が、60才以上では女性が多いこと、解離腔が早期に血栓閉塞するのは高齢者に多く、心嚢内へ出血することが多いことを明らかにした。臓器の血流障害を26%に認め、全ての死亡率は15%であったが、手術を施行した症例では死亡率は10%であり、特に最近の手術症例の死亡率は5%にまで改善してきていることを明らかにした。また(日本血管外科学会雑誌 2015: 24; 127-134)。また、A型大動脈解離の手術においてsurgical glueの有用背について報告した(General Thoracic and cardiovascular Surgery 2014: 62; 207-231)。また、成人先天性大動脈縮窄における大動脈弓部置換の有用性や大動脈弓部置換時の手術方の改良、休部大動脈破裂時の血管内治療の有効性について報告した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在動脈瘤発生因子の探索と治療薬の創薬に結びつけるためのプロテオミクス解析による候補タンパクの絞り込みを終了しており、特許申請中である。現在創薬に向けて研究中である。 また、臨床においては遺伝子異常患者の大動脈瘤治療、特に若年者の治療を積極的におこなっており、その遠隔期成績について検討中である。
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Causes of Carryover |
予定をしていた講演会が演者側の都合によって開催不可能となり講師謝金が発生しなかったため、繰越金が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
H27年度繰越金をH28年請求額にあわせて当該研究成果を発表する学会参加旅費として使用予定。
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Research Products
(3 results)