2014 Fiscal Year Research-status Report
臨床と基礎をつなぐ視点からの肺癌悪性化進展における繊維芽細胞、繊維化の役割解明
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26462126
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大政 貢 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80379049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
園部 誠 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00432378)
毛受 暁史 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30527081)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 線維芽細胞 / 悪性化進展 / 肺癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、腫瘍本体とその間質、特に間質における線維芽細胞やマトリックスの相互依存的な微小環境の形成が、癌の悪性化進展に大きな意味をもつかどうかを検討した。 臨床研究においては、CT値の濃度に基づいた高吸収域と低吸収域の分類を行い3D-CT解析を用いた腫瘍容量やその比率と臨床病理学的相関を検討した。その結果、CT値が高く線維性組織が豊富で充実性な腫瘍部分のサイズや腫瘍全体に占める割合が大きいほど、局所浸潤因子であるv因子やly因子、pl因子、さらにリンパ節転移の陽性率が高くなることを見出した。その結果、肺癌手術例における、術前CTによる術式選択(通常の葉切除もしくは縮小手術)、新たな予後因子の発見、治療効果判定にも臨床的に役立つことが示された。 基礎研究面においては、B6マウス肺癌モデルの確立を行った。同マウスの肺内にLCC肺癌細胞株をMatrigelと混合して注入することで肺癌を作成するorthotopicなmouse modelを確立した。isograftであるため、免疫細胞や間質線維芽細胞の腫瘍内への浸潤がみられ、我々の考える腫瘍間質の適切な形成が行われていることを確認できた。また、同細胞株とnude mouseを用いて肺癌を形成すると、B6マウスにおける腫瘍と比べて縮小傾向を認め、腫瘍間質の腫瘍形成に果たす重要な役割について考察することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
線維性組織と考えられるCT値が高吸収域を有する肺癌で腫瘍細胞の局所浸潤能や転移能が亢進していることを臨床的に示すことができた。この内容は、すでに学会発表を終え、現在論文投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度には、臨床的に見出されたCT値高吸収域にどのような間質細胞が存在するのか、免疫染色や初代培養等で確認する予定である。 また、基礎研究面では、確立したマウスモデルを用いて、腫瘍と間質細胞の間のinteractionがどのようにして、行われているかのメカニズム解明を行い、阻害効果を確認する。
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