2014 Fiscal Year Research-status Report
心停止ドナーからの肺移植における血管内皮細胞の破綻とその抑制
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26462128
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
岡崎 幹生 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (50467750)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 由文 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60322228)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 肺移植 / 心停止ドナー / 虚血再灌流障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
心停止ドナーからの肺移植後の虚血再灌流障害におけるmolecular mechanismは不明な部分が多く、臨床応用のためにもその解明が必要である。我々の研究成果では、心停止ドナーからの肺移植後の移植肺の機能改善に抗炎症作用が強く関与している可能性が示唆された。また、心停止ドナーからの肺移植後のIRIは生体・脳死肺移植後の虚血再灌流障害とは異なった病態であることが示唆された。本研究では、心停止ドナーからの肺移植後の虚血再灌流障害のメカニズム、主に血管内皮細胞の働きを解明し、さらに心停止ドナーからの肺移植後の虚血再灌流障害の抑制・予防することを目的とした。動物モデルとして血管内皮細胞をGFPで標識したVegfr-1 GFPマウスを用いた。ドナーマウスを失血死させ、室温で保存する心停止ドナー群と、4℃で保存する生体ドナー群を作成した。3時間保存後に気管支肺胞洗浄(BAL)を行い、フローサイトメトリーで分析したところ、心停止ドナー群では多くのGFP陽性細胞が回収されていた。したがって、血管内皮細胞は再灌流前の温虚血時にすでに破綻している可能性が示唆され、PGDの大きな要因であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
血管内皮細胞をGFPで標識したVegfr-1 GFPマウスを用いて。実験を開始できた。ドナーマウスを失血死させ、室温で保存する心停止ドナー群と、4℃で保存する生体ドナー群を作成した。3時間保存後に気管支肺胞洗浄(BAL)を行い、フローサイトメトリーで分析したところ、心停止ドナー群では多くのGFP陽性細胞が回収されていた。したがって、血管内皮細胞は再灌流前の温虚血時にすでに破綻している可能性が示唆され、PGDの大きな要因であると考えられた
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Strategy for Future Research Activity |
マウス肺移植モデルを用いて、心停止ドナー肺と生体ドナー肺をそれぞれ移植する。移植・再灌流から1、4、24時間後にBALおよび摘出肺の評価をフローサイトメトリー、PCR法、ウェスタンブロッティング法で解析する。病理組織学的にも肺障害・血管内皮細胞障害(H&E、免疫染色、蛍光顕微鏡)や細胞死(Tunnel染色)の評価を行う。その後、スフィンゴシン-1-リン酸やR-spondin3による虚血再灌流障害抑制効果を検証する。
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Causes of Carryover |
実験用縫合糸、各種抗体、試薬等に関しては他の研究で残ったものを使用することができた。また、動物実験の回数は当初の予定より少なく、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験動物、実験用縫合糸の他、フローサイトメトリー、ウエスタンブロッティング等に使用する各種抗体や、染色用試薬に使用する。また機器使用料、動物飼育料、学会参加費用等にも使用する計画である。
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