2016 Fiscal Year Research-status Report
心停止ドナーからの肺移植における血管内皮細胞の破綻とその抑制
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26462128
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
岡崎 幹生 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (50467750)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 由文 愛媛大学, 医学系研究科, 准教授 (60322228)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 肺移植 / 心停止ドナー / 虚血再灌流障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
心停止ドナーからの肺移植後の虚血再灌流障害におけるmolecular mechanismは不明な部分が多く、臨床応用のためにもその解明が重要である。われわれの研究成果では、心停止ドナーからの肺移植後の移植肺の機能改善に抗炎症作用が強く関与している可能性が示唆された。また、心停止ドナーからの肺移植後の虚血再灌流障害は、生体肺移植・脳死肺移植後の虚血再灌流障害とは異なった病態であることが示唆された。本研究では、心停止ドナーからの肺移植後の虚血・再灌流障害を抑制・予防することを目的とした。動物モデルとして、血管内皮細胞をGFPで標識したVegfr-1 GFPマウスを用いた。ドナーマウスを失血死させ、室温で保存する心停止ドナー群と、4℃で保存する生体ドナー群を作製した。3時間保存後に気管支肺胞洗浄を行い、フローサイトメトリー法で分析したところ、心停止ドナー群では多くのGFP陽性細胞が回収されていた。すなわち、血管内皮細胞は再灌流前の温虚血時にすでに破綻している可能性が示唆され、primary graft dysfunctionの大きな要因であると考えられた。虚血再灌流モデルも用いて、虚血から1時間後に再灌流した肺についても摘出し、解析している。気管支肺胞洗浄や摘出肺を、フローサイトメトリー法、ウエスタンブロッティング法、PCR法で分析している。また、肺障害の程度や血管内皮細胞障害を病理組織学的に、H&E染色、免疫染色、Tunnel染色などを用いて、分析をすすめている。さらに、R-spondin 3の投与による虚血再灌流障害の抑制効果についても分析をすすめている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究以外の業務が想定以上に多忙となり、実験を行う時間が予定より少なくなった。また、Vegfr-1 GFPマウスの繁殖に時間を要する時期もあった。
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Strategy for Future Research Activity |
期間を延長し、H29年度も研究を推進する予定である。R-spondin 3による虚血再灌流障害抑制効果の検証をさらにすすめる。また、スフィンゴシン-1-リン酸の投与による虚血再灌流障害抑制効果の検証も行う。さらに、学会発表、論文投稿も予定している。
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Causes of Carryover |
研究以外の業務が想定以上に多忙となり、実験を行う回数が予定より少なくなったため、実験動物、縫合糸、各種抗体の使用が想定より少なかった。また、出張も想定より少なくなり、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験動物、実験用縫合糸の他、フローサイトメトリー、ウエスタンブロッティング等に使用する各種抗体や、染色用試薬に使用する。また、動物飼育料、機器使用料、学会参加費等にも使用する計画である。
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