2014 Fiscal Year Research-status Report
無症候性頚動脈狭窄症における認知機能障害の治療効果に関する前向き研究
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26462153
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
桑山 直也 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 准教授 (30178157)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋岡 直樹 富山大学, 大学病院, 助教 (70422631)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 脳血管障害学 / 高次脳機能 / 頚動脈狭窄症 |
Outline of Annual Research Achievements |
2014年4月から無症候性高度頚動脈狭窄症例の前向き登録を開始しており、症例数は20例を超えている.こられの症例については研究実施計画の通りRBANS 、JART、WAIS-R2下位検査による高次脳機能評価を実施するとともに、頚動脈エコー、CTA、脳血流SPECT、プラークMRI、脳MRIの評価も施行している.これに2004年から2013年の間に高次脳機能評価を施行した過去の症例を加え、総数103症例について分析を行っている.またこの症例の中で頚動脈ステント留置術(CAS)を施行した症例については研究実施計画の通り、術後1週間、3ヶ月、6ヶ月、1年の各時期においてRBANSによる再評価を実施している. 平成26年度はこれらの症例についてRBANS、JART、WAIS-R2下位検査を用いたディスクレパンシー分析をおこなった結果、無症候性高度頚動脈狭窄症例ではRBANSの各尺度において次のような高次機能低下が認められた;即時記憶の低下症例67%、視空間構成の低下例21%、言語機能低下例44%、注意低下例64%、遅延記憶低下例59%、総指標低下例69%.またこの103例の中でRBANSのどの尺度も低下していない症例はわずか8%であった.よって無症候性頚動脈狭窄症の症例にはある程度の認知機能障害が存在することが明らかとなった. この結果は「研究発表、平成26年度研究成果」欄に記載学会にて発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前向き登録症例は20例を越えており、またこれに過去の症例を加えた総数103例について評価したところ、研究仮説に近い結果が得られているため.
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年も研究計画書の通りに症例の蓄積を進め、無症候性高度頚動脈狭窄症における軽度高次脳機能低下を確認するとともに、あらたにCASによる血行再建後の機能評価を加える.これにより低下していた高次脳機能がCASを行うことによって改善するか否かを評価、検討する.
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