2015 Fiscal Year Research-status Report
虚血耐性現象におけるNrf/ARE signaling pathwayの関与
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26462154
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
八木 貴 山梨大学, 総合研究部, 助教 (90345702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 秀幸 山梨大学, 総合研究部, 助教 (20402076)
木内 博之 山梨大学, 総合研究部, 教授 (30241623)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 神経保護 / 虚血耐性現象 / アストロサイト |
Outline of Annual Research Achievements |
海馬遅発性神経細胞死および虚血耐性現象におけるNrf/ARE signaling pathwayの関与を明らかにすることを目的に本研究を進めている。先行研究で確立したラット一過性脳虚血モデルを使用し、3分間の非致死的脳虚血と、5分間の致死的脳虚血において、Nrf2およびKeap1の発現を検討した。脳冠状断スライスの免疫染色において、両群間で虚血から8時間以降に海馬神経細胞層および顆粒層でNrf2の発現が確認され、その発現は脳虚血負荷から7日まで継続していた。免疫二重染色により局在を確認すると、Nrf2の発現は神経細胞およびアストロサイトの両者に確認された。ミクログリアのマーカーとして、Iba-1による染色を行っているが、各群で明らかな染色性が確認できなかった。今後複数の抗体で検証していく予定である。非致死的虚血群と比較して、致死的虚血群で、Nrf2およびKeap1のアストロサイトでの発現がより明瞭な傾向がみられた。今後、2群間での発現動態の差を検討するため、海馬CA1、顆粒層の全分画サンプルを用いてWestern blotの解析を行っている。現時点では、非致死的虚血と致死的虚血の2群間での差を検討しているが、虚血耐性現象の脳保護効果への関与を明らかにするためには2回の虚血負荷を行った虚血耐性群でのNrf2, Keap1およびSrxn1, Hmox1などのNrf2標的遺伝子の発現動態を確認する必要があり、本年度の課題として検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究実施者が救急診療を含む臨床業務に携わり、本研究進行のための時間を十分に割けない点が最も大きな理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
大学院生の協力を増やし、当科で行っている他の基礎研究とオーバーラップする動物モデル作成などを共通化させ、効率化を図る。
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Causes of Carryover |
研究の進行が予定通り進まず、必要物品の購入が少ないため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究の進行に努め、抗体や試薬の購入を進める。
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