2014 Fiscal Year Research-status Report
脳虚血後移植神経幹細胞におけるエピジェネティクスの役割
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26462155
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
吉岡 秀幸 山梨大学, 総合研究部, 助教 (20402076)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 貴 山梨大学, 総合研究部, 助教 (90345702)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 脳虚血性障害 / 幹細胞移植 / エピジェネテクス |
Outline of Annual Research Achievements |
内因性もしくは移植された神経幹細胞は、脳虚血後に活性化され、神経再生に寄与することが知られている。しかしながら、その生存率や神経細胞への分化効率が低いことが大きな課題であり、再生療法の発展には神経幹細胞の虚血後病態の解明が必須である。 一方、ゲノムの持つ遺伝情報の発現は、“エピジェネティクス”と呼ばれるクロマチンの化学的、構造的な修飾によっても制御される。近年の研究により、神経幹細胞の自己複製、増殖、分化、遊走やシナプス形成において、このエピジェネティクスが重要な役割を果たすことが解明されてきており、虚血後の神経幹細胞の動態にもこれが大きく関与することが予想される。 本研究は虚血後神経幹細胞のエピゲノム解析により、新たな神経幹細胞の制御メカニズムを解明することを目的とするが、本年度は、in vitroでの解明を進めるべく研究を行った。具体的には、出生後1日のSDラットより神経幹細胞を摘出し、分離培養を行い、これに無酸素無糖条件(OGD)を負荷した。現在、これらサンプルを調節し、western blotによりエピゲノム変化の解析を行っているところである。エピゲノム変化は、主にDNAのメチル化とヒストン蛋白質の化学修飾から成り立つが、DNAのメチル化は、DNAメチル化酵素やメチル化CpG結合蛋白質(MeCP2)の発現解析により検討を行う。また、ヒストン蛋白質の化学修飾は、H3のアセチル化、H3S10のリン酸化、H3K4、H3K9およびH3K27のメチル化をそれぞれの特異的抗体を用いて解析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
OGDを負荷した培養神経幹細胞のwestern blot解析が遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
DNAメチル化関連蛋白質の発現やヒストン蛋白質化学修飾の解析は、免疫染色でも行う予定である。また、DNAのメチル化解析や、ヒストン修飾を受けている遺伝子の網羅的解析も行う予定である。更に、DNAメチル化酵素阻害剤やヒストンアセチル化酵素阻害剤(HDAC)による阻害実験も施行する予定である。
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Causes of Carryover |
Western blot解析が遅れたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
Western blot解析に必要な試薬や抗体を購入する予定である。
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