2014 Fiscal Year Research-status Report
脳外傷におけるmiRNAのバイオマーカーとしての有用性の検討
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26462160
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
畠山 哲宗 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (90602805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河北 賢哉 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (10505803)
河井 信行 香川大学, 医学部, 准教授 (40294756) [Withdrawn]
小川 大輔 香川大学, 医学部附属病院, 病院助教 (70524057)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | S100B / 脳脊髄液 / ELISA |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度に当院で行った低体温療法は3例のみであり、そのうち重症頭部外傷例は1例であった。その1例も強い脳浮腫のため腰椎穿刺による髄液採取が困難であったため今研究の主なテーマである髄液中のmiRNAの測定ができていない。 外傷性脳損傷におけるバイオマーカーとしてS100Bが重要なバイオマーカーの一つとして考えられており、miRNAによって発現調整をしているとも考えられている。頭部外傷後の低体温療法の症例が集まらなかったため、外傷以外の(くも膜下出血による)脳損傷後のCSFを採取し、ELISAを用いてS100Bの測定を行った。くも膜下出血での髄液は血液が混在してしまうため、髄液採取後、遠沈にかけて髄液の上澄み液を使用した。髄液採取は発症から0~2日以内で行った。また脳損傷の重症度分類の指標としてWFNS分類を用いた。WFNS分類のgrade 1~3をlow grade群(8例)、grade4~5をhigh grade群(13例)として比較した。結果CSF内のS100B濃度はlow grade群:4.408、high grade群:5.877とhigh grade群が高かったが2群間に有意差は認めなかった。しかし、文献上はcontorol CSF内のS100B濃度は0.33~1.22となっており、くも膜下出血による脳損傷によりS100B濃度は上昇しているものと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成26年度に当院において行った低体温療法は3例であった。その内訳は、1:心停止後脳症 2例、2:重症頭部外傷 1例であり、特に外傷例は脳浮腫が出現していたために、腰椎穿刺によるCSF採取が困難であったため検体採取ができていない。
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Strategy for Future Research Activity |
重症頭部外傷に限らず、重症くも膜下出血、心停止後脳症など他の疾患で脳低体温療法を行った症例も対象とし、それらのCSFを採取し、それぞれの障害でのmiRNAの発現を調べていく。
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Causes of Carryover |
miRNAの発現解析を行うためのmiRNAマイクロアレイ購入費用と、情報収集のための学会出張、薬剤などの費用が生じるため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
5人分10検体(血液と脳脊髄液、脳低体温療法前後)のmiRNAの発現解析を行うためのmiRNAマイクロアレイの購入費用、薬剤・消耗品費用、qPCRによるmiRNA定量解析のTagman® probe費用。 国内外への研究成果発表や情報収集などにかかわる費用(神経外傷学会、高次脳機能障害学会、脳循環代謝学会など)
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